14-036「永遠の0」(日本)

愛する者のために生きて帰りたい 
 司法試験に落ちて進路に迷う青年、佐伯健太郎。ある日、今の祖父とは血のつながりがなく、血縁上の祖父が別にいることを知る。
 その実の祖父の名は、宮部久蔵。太平洋戦争で零戦パイロットとして戦い、終戦直前に特攻出撃により戦死していた。
 そこで宮部について調べ始めてみると、かつての戦友はみな口を揃えて宮部を臆病者と非難した。天才的な操縦技術を持ちながら、生きて還ることに執着した腰抜けだと言うのだった。
 にもかかわらず、なぜ宮部は特攻に志願したのか。
 やがて、ついに宮部の最期を知る人物に辿り着く健太郎だが。(「allcinema」より)


 百田尚樹のベストセラー小説を映画化した戦争ドラマ。

 2013年の宮崎駿の「風立ちぬ」もゼロ戦に関わる作品だったが、本作もタイトルからして、またゼロ戦に関わる話かなという感じであったが、実際は特別にゼロ戦に関しての話ではなく、ゼロ戦に乗っていた一人のパイロットの話であった。


 物語の始まりとしては現代、司法試験に落ち続けて数年の青年が、ふとしたことから血縁上の祖父がいたことを知り、彼のことを調べ始める姉の手伝いをすることになる。

 その祖父、宮部久蔵に関して、最初は「海軍一の臆病者」など、あまりいい話は聞かなかったが、やがて本当の彼の心情を知るに至ると共に、戦争という中で不条理に生きた若者たちの姿を知ることになる。


 戦争や困難な状況となった時、生きて家族の元へ帰る、というのは、現代、そしてアメリカなどの映画などではよく聞かれる言葉であるが、太平洋戦争中の日本軍の中では決して許される言葉ではなかった。

 そんな言葉を口にする宮部久蔵は、それが故「海軍一の臆病者」と呼ばれるゆえんともなるのであるが、そういう時代のことを、目にしたことはなくとも、何度も耳にしたことのある人間なら、この宮部久蔵の、ある意味特別な感じのする人物像というのが判るのだろうな。

 空中戦で乱戦になると上空高くに上がり、戦闘に巻き込まれないようにするということが本当に出来たのかどうか判らないが、生きることへの執着というのはかなりのもの。

 そんな宮部久蔵のことを、孫にあたる佐伯健太郎が、彼を知る人々に話を聞いていくうちに宮部久蔵という人物の本当の人物像、彼が抱いていた気持ちというものを知ることになるのだが、その都度泣かされてしまう。

 宮部久蔵と戦地で出会ったことにより、生き残ることのできた人々が、ある意味彼に感謝し、生きるということの大切さを伝えていこうとする。

 ドラマティックな部分も強いので、ちょっと出来すぎかなという展開の部分もあり、最後の展開についてはちょっとやりすぎかなという感じがしたが、特攻へ出撃することになった宮部久蔵の気持ちも伝わるものだったな。

 健太郎の血の繋がらない祖父、賢一郎を演じたのが、昨年5月に亡くなった夏八木勲。
 「そして父になる」にも出演していたが、これが遺作となるのかな。

 そう言えば、「そして父になる」では夏八木勲と夫婦を演じていた風吹ジュンが、本作では夏八木勲の娘を演じていたな。
 ちょっと面白い。

 戦争スペクタクルなどを期待すると肩透かしかもしれないが、基本的には戦争の不条理さと、生きることの大切さ、希望のようなものを謳った作品であり、かなりドラマティックな作品だった。
 
 やっぱり平和がいいな。

/5

監督:山崎貴
出演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、新井浩文、染谷将太、三浦貴大、上田竜也、吹石一恵
    田中泯、山本學、風吹ジュン、平幹二朗、橋爪功、夏八木勲、佐々木一平、青木健、遠藤雄弥、栩原楽人
於:TOHOシネマズ日劇

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