12-076「月光ノ仮面」(日本)

産まれた時は別々だが、死ぬときは別々でさ 
 昭和22年。怪我のため顔中に包帯を巻いた復員兵が寄席に姿を現わす。
 その所持品から、どうやら森乃家天楽師匠の弟子で、戦前人気を博し将来を嘱望されながらも戦死したと思われていた落語家の森乃家うさぎと判明する。
 しかし、男は一切の記憶をなくしていた。
 師匠とその娘で、うさぎと将来を誓い合った弥生は、男を温かく迎え入れ、記憶を取り戻す手助けをしていく。高座にも復帰し、人気も出始めた頃、もう一人の男が戦地から帰還する。
 その男こそ、本物の森乃家うさぎだったのだが。(「allcinema」より)

月光ノ仮面 - goo 映画

 「板尾創路の脱獄王」に続いて、人気芸人、板尾創路が監督、主演を務めた、第2弾作品。

 戦後まもなくの昭和22年のある街を舞台に、戦争から帰ってきた、記憶を失くした一人の男が、かつての人気落語家、森乃屋うさぎ、と間違えられたことから起こる出来事を、シュールな雰囲気で描いた作品。

 板尾創路は、その森乃屋うさぎに間違えられた復員兵を演じているが、前作と同じく、こちらもほとんど台詞は無し。

 ただ、ぶつぶつと、落語の「粗忽長屋」を呟いているだけ。

 しかし、相変わらず、その表情と、奇異な行動によって、笑いの雰囲気を醸し出している。

 話としては、シリアスなものであるが、ところどころ、板尾創路らしいシュールな笑いが散りばめられている感じである。

 ドクター中松登場のシーンは、笑いとしては面白いが、作品の流れとしては、勿体ない気がしたのだが。

 常に流れる「月光」の音楽と、これまた常に闇夜に輝いている月が、ミステリアスな雰囲気を盛り上げている。

 森乃屋うさぎと間違われ、高座に上がらされることとなった、板尾創路演じる、記憶を失くした男と、うさぎと結婚の契りを交わしていた、石原さとみ演じる弥生。

 そこへ浅野忠信演じる、本物の森乃屋うさぎである岡本太郎が現れて、ことは更にややこしくなってくる。

 最初に現れた男を、森乃屋うさぎだと信じていた弥生は、本物のうさぎが現れたことによって、激しく動揺し、この不可思議な三角関係に決着を着けようと、あらぬ行動に出ようとしたりする。

 この三角関係の行方。
 そして落語家として高座に上がった男の運命がどうなるのか、非常に気になる展開で、最後まで興味尽きない。

 ラストは、かなりシュールすぎて、個人的には、どのように受け取ればいいのか、計りかねる展開だった。

 男はたまに女郎屋に立ち寄っているのだが、そこでちょっとした行動を起こしている。
 果たして、この結末もどうなったのか、今ひとつハッキリしなかったな。

 いずれにしても、結構このミステリアスな雰囲気は、個人的には好みの作品である。

 闇夜に輝く月が、不思議な魔力を施した、という感じの作品らしいが、確かにその雰囲気は充分だったな。

 落語は聞かないし、あまり興味もないので、「粗忽長屋」もよくは知らないのだが、この話も作品の不思議な世界に一役買っていたな。

 シリアスな話の中に、ところどころ散りばめられる板尾ワールドが堪能できる作品である。

+/5

監督:板尾創路
出演:板尾創路、浅野忠信、石原さとみ、前田吟、國村隼、六角精児、津田寛治、根岸季衣
    平田満、木村祐一、宮迫博之、矢部太郎、木下ほうか、柄本佑、千代将太、佐野泰臣
於:シアターN渋谷
月光ノ仮面 [DVD]
よしもとアール・アンド・シー
2012-06-06


Amazonアソシエイト by 月光ノ仮面 [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

"12-076「月光ノ仮面」(日本)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント