35「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」(ドイツ)

太陽は輝き続ける
 1943年ヒトラー独裁政権末期、全面戦争の勝利を叫ぶヒトラーに対して「打倒ヒトラー」の文字を壁に書き、郵便やビラで国民に「自由」を呼びかけたレジスタンス・グループ「白バラ」。その中の紅一点ゾフィー・ショルと兄のハンス、仲間のクリストフの三人がミュンヘンの大学構内でビラを撒いた廉で逮捕される。時は2月18日。それからわずか5日間で取り調べ、そして人民法廷での裁判が行われ「大逆罪」を言い渡される。

 ゾフィー・ショルはいわゆる普通の21歳の女性。歌や音楽が好きで、恋をしていた。それが、逮捕され取り調べを受けていく中で、真の正義に目覚めていく。尋問官が提案する取引も受け入れず、敢然と立ち向かう。この尋問官モーアとゾフィーとの取り調べの間のやり取りは結構緊張感があり、事の成り行きが気になる。また人民法廷での裁判長がナチスを代表するような狂気を帯びており、恐ろしいほど。
 しかし! 如何せん歴史が覆ることはない。ゾフィーら三人は死刑が言い渡される。更に刑はその午後執行される。刑場に連れて行かれたゾフィーの前に現れたものに、ちょっと恐怖を感じた。

 終盤ではすすり泣く観客もいるほどだった。ナチスの前では気丈に振舞うゾフィーだが、一人でいる時は祈りによって自分を奮い立たせる。信念と理想に命を捧げたゾフィー。「我々の死は無駄ではない」と最後に語る三人。無駄ではなかったことを信じよう。

 どんどん引き込まれる作品だった。

監督:マルク・ローテムント
出演:ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、ファビアン・ヒンリヒス、アンドレ・ヘンニック
於:日比谷シャンテ・シネ
 

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