15-015「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(イギリス・アメリカ)
時として、想像もしていなかった人物が、想像もしていなかった偉業を成す
1939年。ドイツ軍と戦う連合軍にとって、敵の暗号機“エニグマ”の解読は勝利のために欠かせない最重要課題だった。しかしエニグマは、天文学的な組み合わせパターンを有しており、解読は事実上不可能といわれる史上最強の暗号機だった。
そんな中、イギリスではMI6のもとにチェスのチャンピオンをはじめ様々な分野の精鋭が集められ、解読チームが組織される。その中に天才数学者アラン・チューリングの姿もあった。
しかし彼は、共同作業に加わろうとせず、勝手に奇妙なマシンを作り始めてしまう。次第に孤立を深めていくチューリングだったが、クロスワードパズルの天才ジョーンがチームに加わると、彼女がチューリングの良き理解者となり、周囲との溝を埋めていく。
やがて解読チームはまとまりを見せ始め、エニグマ解読まであと一歩のところまで迫っていくチューリングだったが。(「allcinema」より)
第2次大戦中、難攻不落と言われたドイツの暗号機〝エニグマ〟の解読に挑んだ天才数学者、アラン・チューリング。
彼が、解読チームの仲間たちと共に奮闘する姿を描いたサスペンス・ドラマ。
天才数学者アラン・チューリングを演じたのは、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」や「ミスティック・アイズ」等のベネディクト・カンバーバッチ。
アカデミー作品賞候補にもなり、ベネディクト・カンバーバッチは主演男優賞候補、そしてアランのチームに加わり、彼を支えるジョーンを演じたキーラ・ナイトレイが助演女優賞候補になっている。
15年ほど前にケイト・ウィンスレットが出演していた「エニグマ」という作品を観たが、そちらはフィクションであったのに対し、本作は実在の数学者を主人公とした伝記的な作品になっているようである。
そんなわけで、戦争シーンの映像は途中挿入されたりするが、ほとんどはアラン・チューリングとそのチームの仲間たちの様子を描いている。
アランが設計する解読機が果たして成果を得られるのか、という話が中心となるが、それと共にアラン自身に焦点を当てた話mこ綴られる。
ちょっと協調性がなくて、人に誤解を与えやすい性格である孤高の天才数学者。
少年時代の話も並行して描かれ、アランの持つ秘密も徐々に浮き彫りにされる。
スパイなども絡み、エニグマ解読の話は、それなりに緊迫感はあるが、それよりもアラン・チューリングという人物の、偉業を達成しながらも、何とも孤独な人生が、沁みる話になっている。
紆余曲折しながらエニグマ解読に成功するアランたちであるが、そこから爽快な話に展開するわけではなく、そこからも何とも胸の痛む選択を行ったりする。
この偉業が戦争終結を早めたと言われるが、アランたちチームのことはイギリス政府により50年以上も機密扱いとされていたらしい。
戦後のアランの姿も映し出されるが、そこに偉業を達成した男の輝かしさというものはなかったな。
どういう理屈かは、ハッキリ判らなかったが、アランがエニグマ解読のために作り出したマシンは、チューリングマシンと呼ばれ、現在のコンピュータの元になっているとも言われているらしい。
天才としての孤独、自信家であり秘密を抱えた男。
偉業を達成しながらも孤独な人生を歩んだ男の哀切さを描き、個人的には、もう少しエニグマ解読の展開ではスリリングなものを期待したが、なかなか見応えあるドラマであった。
良き理解者となる女性、ジョーンが側にいながらも、それに応えきれなかったアランの秘密が、彼を更に孤独にしてしまったのだろう。



/5
監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、マーク・ストロング、ロリー・キニア
アレン・リーチ、マシュー・ビアード、チャールズ・ダンス、ジェームズ・ノースコート、トム・グッドマン=ヒル
於:TOHOシネマズ日劇
1939年。ドイツ軍と戦う連合軍にとって、敵の暗号機“エニグマ”の解読は勝利のために欠かせない最重要課題だった。しかしエニグマは、天文学的な組み合わせパターンを有しており、解読は事実上不可能といわれる史上最強の暗号機だった。
そんな中、イギリスではMI6のもとにチェスのチャンピオンをはじめ様々な分野の精鋭が集められ、解読チームが組織される。その中に天才数学者アラン・チューリングの姿もあった。
しかし彼は、共同作業に加わろうとせず、勝手に奇妙なマシンを作り始めてしまう。次第に孤立を深めていくチューリングだったが、クロスワードパズルの天才ジョーンがチームに加わると、彼女がチューリングの良き理解者となり、周囲との溝を埋めていく。
やがて解読チームはまとまりを見せ始め、エニグマ解読まであと一歩のところまで迫っていくチューリングだったが。(「allcinema」より)
第2次大戦中、難攻不落と言われたドイツの暗号機〝エニグマ〟の解読に挑んだ天才数学者、アラン・チューリング。
彼が、解読チームの仲間たちと共に奮闘する姿を描いたサスペンス・ドラマ。
天才数学者アラン・チューリングを演じたのは、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」や「ミスティック・アイズ」等のベネディクト・カンバーバッチ。
アカデミー作品賞候補にもなり、ベネディクト・カンバーバッチは主演男優賞候補、そしてアランのチームに加わり、彼を支えるジョーンを演じたキーラ・ナイトレイが助演女優賞候補になっている。
15年ほど前にケイト・ウィンスレットが出演していた「エニグマ」という作品を観たが、そちらはフィクションであったのに対し、本作は実在の数学者を主人公とした伝記的な作品になっているようである。
そんなわけで、戦争シーンの映像は途中挿入されたりするが、ほとんどはアラン・チューリングとそのチームの仲間たちの様子を描いている。
アランが設計する解読機が果たして成果を得られるのか、という話が中心となるが、それと共にアラン自身に焦点を当てた話mこ綴られる。
ちょっと協調性がなくて、人に誤解を与えやすい性格である孤高の天才数学者。
少年時代の話も並行して描かれ、アランの持つ秘密も徐々に浮き彫りにされる。
スパイなども絡み、エニグマ解読の話は、それなりに緊迫感はあるが、それよりもアラン・チューリングという人物の、偉業を達成しながらも、何とも孤独な人生が、沁みる話になっている。
紆余曲折しながらエニグマ解読に成功するアランたちであるが、そこから爽快な話に展開するわけではなく、そこからも何とも胸の痛む選択を行ったりする。
この偉業が戦争終結を早めたと言われるが、アランたちチームのことはイギリス政府により50年以上も機密扱いとされていたらしい。
戦後のアランの姿も映し出されるが、そこに偉業を達成した男の輝かしさというものはなかったな。
どういう理屈かは、ハッキリ判らなかったが、アランがエニグマ解読のために作り出したマシンは、チューリングマシンと呼ばれ、現在のコンピュータの元になっているとも言われているらしい。
天才としての孤独、自信家であり秘密を抱えた男。
偉業を達成しながらも孤独な人生を歩んだ男の哀切さを描き、個人的には、もう少しエニグマ解読の展開ではスリリングなものを期待したが、なかなか見応えあるドラマであった。
良き理解者となる女性、ジョーンが側にいながらも、それに応えきれなかったアランの秘密が、彼を更に孤独にしてしまったのだろう。




監督:モルテン・ティルドゥム
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイ、マシュー・グード、マーク・ストロング、ロリー・キニア
アレン・リーチ、マシュー・ビアード、チャールズ・ダンス、ジェームズ・ノースコート、トム・グッドマン=ヒル
於:TOHOシネマズ日劇
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