14-256「西遊記 はじまりのはじまり」(中国)

悪霊を口から吸い出すのよ
 これは、三蔵法師が孫悟空たちと天竺目指して旅に出る前のおはなし。
 彼がまだ玄奘という名の冴えない妖怪ハンターの若者だった頃。玄奘は川に出没する謎の妖怪(後の沙悟浄)を退治しようと悪戦苦闘中。そこへ、美人の妖怪ハンター段が現われ、妖怪を鮮やかに退治する。
 山奥の料理屋にやって来た玄奘は、またしても謎の妖怪(後の猪八戒)相手に苦戦しているところを、突然現われた段に救われる。しかし一度は生け捕りにしたものの、豚から巨大なイノシシに姿を変え逃げられてしまう。
 やがて師匠から“あの妖怪を倒せるのは、五指山のふもとに閉じ込められた孫悟空だけ”と教えられ、五指山へと向かう玄奘だったが。(「allcinema」より)


 「少林サッカー」「ミラクル7号」のチャウ・シンチー監督の最新作。

 あの孫悟空や三蔵法師の物語をモチーフに、若かりし三蔵法師が妖怪退治に四苦八苦する姿と、孫悟空との出会い、対決を描いたアクション娯楽エンターテインメント。

 観た限り、今回はチャウ・シンチー出ていなかったな。
 後の三蔵法師となる玄奘を演じたウェン・ジャンが、何となくチャウ・シンチーに似ている感じであったが。


 玄奘は妖怪ハンターであるが、どうも弱々しく、その武器は〝わらべ歌選〟
 もちろん妖怪退治は上手くいかず、川で暴れる半魚半獣の妖怪にてこずるが、美人妖怪ハンターの段に助けられ、その後も妖怪退治の旅を続ける玄奘に、段は何かと言って寄って来る。


 妖怪ハンターである玄奘の苦闘と孫悟空との出会い、そしてその戦いと三蔵法師になって天竺を目指す旅に出るまでを描いた話。

 後の沙悟浄や猪八戒となる妖怪との対決、そして孫悟空との対決を、CGを駆使した映像で壮大に描いており、半魚半獣の妖怪、巨大な猪などの映像は迫力あったな。


 しかし、そんな迫力ある映像でアクションなどを描いているが、基本的にはギャグ満載のコメディという感じだった。

 かなりベタで大袈裟なギャグをしつこいぐらいに繰り出しており、何となく一昔前のギャグ・アニメを観ている感覚になったな。

 この笑いには合う合わないがありそうな感じであるが、個人的に結構笑ってしまうシーンは多かった。

 冒頭の、川で女の子が泣き出すシーンや、段が玄奘に言い寄る際に使用する服従シールの顛末など。
 妖怪との戦いの中でも結構笑いを織り交ぜたりしている。

 それでも、その対決の途中、果てには惨劇などがあり、単なる笑いとアクションに終始している感じではなかったな。
 特にクライマックスでの、封印を解かれた孫悟空との対決では、かなり凄惨であり、哀しい展開がある。

 この玄奘と孫悟空との対決の結末は、どことなくチャウ・シンチー監督、主演の「カンフーハッスル」を思い出させるものがあったな。


 ちょっとギャグがしつこいような感じはしたが、なかなか笑えたシーンも多かったし、CGを駆使した壮大な戦いのシーンも楽しめ、娯楽作としては充分だった。


 しかし、一番印象に残ったのはラスト・シーンからエンドロールへと移る中で流れた「Gメン’75」のテーマだな。
 最後のシーンにピッタリだと判るのは、世代だからだろう。

 どうやら「柔道一直線」の音楽も使われていたらしいが、さすがにそこまでは判らなかったな。

/5

監督:チャウ・シンチー
出演:スー・チー、ウェン・ジャン、ホアン・ボー、ショウ・ルオ
    クリッシー・チョウ、シン・ユー、リー・ションチン、チウ・チーリン
於:TOHOシネマズ有楽座

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