13-375「許されざる者」(日本)
新しい生き方があるとは思わなかった
1880年、北海道。かつて幕府軍最下層の兵士として幕末の志士を斬りまくり、“人斬り十兵衛”と恐れられた男、釜田十兵衛。
彼は、落ち延びたこの地で一人の女性と出会い、所帯を持つ。その妻は3年前に他界し、今は残された2人の子どもと共につましく静かな生活を送っていた。
しかし、最北の地での暮らしは過酷を極め、食べるものにも事欠く有様。
そんな時、かつて幕府軍として一緒に戦った仲間、馬場金吾が現われ、賞金首の話を持ちかける。“一緒に来てくれるだけでいい”と言う金吾に対し、もう人殺しはしないという亡き妻との約束を理由に、一度はこの申し出を断る十兵衛だったが…。(「allcinema」より)
クリント・イーストウッドが監督、主演し、アカデミー作品賞、監督賞などを受賞した「許されざる者」を日本でリメイクした作品。
オリジナルは、実は未見。
時代設定は全くオリジナルと同じ1880年であり、明治維新からおよそ10年経った頃。
かつて〝人斬り十兵衛〟と恐れられ、今は二人の子供と暮らしている釜田十兵衛。
極貧の暮らしを送っている彼の元に、かつて仲間であった馬場金吾という男が現れ、賞金を賭けられた男たちを一緒に殺しにいくことを持ちかけられる。
亡き妻に、二度と人殺しはしない、と誓い、一度は断る十兵衛であったが、子供たちの暮らしのために、金吾に同行することにする。
オリジナルは未見であるが、話の筋は、設定は当然違う部分もあるが、ほぼ一緒のようであった。
町の女郎が、男たちに顔を切り刻まれ、その復讐のために賞金を男たちに賭けたのだが、町では絶対的な支配者である大石一蔵が、現れる賞金稼ぎたちを追い払っており、十兵衛たちの前にも立ちはだかる。
果たして、十兵衛たちは、そんな一蔵のいる町で、賞金を賭けられた男たちを仕留めることができるのか。
そして、一蔵との対決があるのか。
なかなかストーリー自体も興味惹かれるものであったが、十兵衛自身の葛藤というものも随所に描かれており、何とも重厚な作品だったな。
幕末には兵士として、人を斬ることを生業としていた男が、時代が変わり、北海道の極寒の地で暮らしているが、日々の生活さえままならない。
それまで人を斬ることしか知らなかったがために、なかなか新しい生活にうまく適応できないところもあったのではないだろうか。
そんなところへ金吾がやって来て、思わぬ話を持ち込んでくる。
最初は断る十兵衛であったが、子供たちの生活のためと思い、金吾と共に旅立つことにする。
極寒の地で、食糧もままならない家に、幼い子供だけを残して旅立つというのは、ある意味酷い決断だな。
ただ子供たちと共に生きるために再び人を殺めようとする十兵衛であるが、ある出来事によって十兵衛は再び刀を抜く。
クライマックスの戦いは、十兵衛自身が、自分の生き方というものを取り戻した時だったのかもしれないな。
オリジナルが西部劇ということで、本作も西部劇テイストを、日本の北海道というまだ開かれていない地を舞台として、その味わいを充分に取り込んでいる。
大石一蔵は暴力で独裁的に町を支配していたようだが、新たな時代、法治というものが町に必要となった時代に、ある意味正しい人物だったのかもしれないな。
そのやり方が間違っていただけで。
オリジナルと比べることはできないが、なかなかの良作であったと思う。
十兵衛を演じたのは、「インセプション」等、ハリウッドでも活躍している渡辺謙であるが、かつては兵士、否、武士であった誇りと苦悩を持ち合わせたような男を渋く演じていた。
「ラスト・サムライ」だな。



/5
監督:李相日
出演:渡辺謙、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子
近藤芳正、國村隼、滝藤賢一、小澤征悦、三浦貴大、佐藤浩市
於:TOHOシネマズ渋谷
1880年、北海道。かつて幕府軍最下層の兵士として幕末の志士を斬りまくり、“人斬り十兵衛”と恐れられた男、釜田十兵衛。
彼は、落ち延びたこの地で一人の女性と出会い、所帯を持つ。その妻は3年前に他界し、今は残された2人の子どもと共につましく静かな生活を送っていた。
しかし、最北の地での暮らしは過酷を極め、食べるものにも事欠く有様。
そんな時、かつて幕府軍として一緒に戦った仲間、馬場金吾が現われ、賞金首の話を持ちかける。“一緒に来てくれるだけでいい”と言う金吾に対し、もう人殺しはしないという亡き妻との約束を理由に、一度はこの申し出を断る十兵衛だったが…。(「allcinema」より)
クリント・イーストウッドが監督、主演し、アカデミー作品賞、監督賞などを受賞した「許されざる者」を日本でリメイクした作品。
オリジナルは、実は未見。
時代設定は全くオリジナルと同じ1880年であり、明治維新からおよそ10年経った頃。
かつて〝人斬り十兵衛〟と恐れられ、今は二人の子供と暮らしている釜田十兵衛。
極貧の暮らしを送っている彼の元に、かつて仲間であった馬場金吾という男が現れ、賞金を賭けられた男たちを一緒に殺しにいくことを持ちかけられる。
亡き妻に、二度と人殺しはしない、と誓い、一度は断る十兵衛であったが、子供たちの暮らしのために、金吾に同行することにする。
オリジナルは未見であるが、話の筋は、設定は当然違う部分もあるが、ほぼ一緒のようであった。
町の女郎が、男たちに顔を切り刻まれ、その復讐のために賞金を男たちに賭けたのだが、町では絶対的な支配者である大石一蔵が、現れる賞金稼ぎたちを追い払っており、十兵衛たちの前にも立ちはだかる。
果たして、十兵衛たちは、そんな一蔵のいる町で、賞金を賭けられた男たちを仕留めることができるのか。
そして、一蔵との対決があるのか。
なかなかストーリー自体も興味惹かれるものであったが、十兵衛自身の葛藤というものも随所に描かれており、何とも重厚な作品だったな。
幕末には兵士として、人を斬ることを生業としていた男が、時代が変わり、北海道の極寒の地で暮らしているが、日々の生活さえままならない。
それまで人を斬ることしか知らなかったがために、なかなか新しい生活にうまく適応できないところもあったのではないだろうか。
そんなところへ金吾がやって来て、思わぬ話を持ち込んでくる。
最初は断る十兵衛であったが、子供たちの生活のためと思い、金吾と共に旅立つことにする。
極寒の地で、食糧もままならない家に、幼い子供だけを残して旅立つというのは、ある意味酷い決断だな。
ただ子供たちと共に生きるために再び人を殺めようとする十兵衛であるが、ある出来事によって十兵衛は再び刀を抜く。
クライマックスの戦いは、十兵衛自身が、自分の生き方というものを取り戻した時だったのかもしれないな。
オリジナルが西部劇ということで、本作も西部劇テイストを、日本の北海道というまだ開かれていない地を舞台として、その味わいを充分に取り込んでいる。
大石一蔵は暴力で独裁的に町を支配していたようだが、新たな時代、法治というものが町に必要となった時代に、ある意味正しい人物だったのかもしれないな。
そのやり方が間違っていただけで。
オリジナルと比べることはできないが、なかなかの良作であったと思う。
十兵衛を演じたのは、「インセプション」等、ハリウッドでも活躍している渡辺謙であるが、かつては兵士、否、武士であった誇りと苦悩を持ち合わせたような男を渋く演じていた。
「ラスト・サムライ」だな。



/5監督:李相日
出演:渡辺謙、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子
近藤芳正、國村隼、滝藤賢一、小澤征悦、三浦貴大、佐藤浩市
於:TOHOシネマズ渋谷


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