13-320「グランド・マスター」(香港・中国・フランス)

悔いの無い人生なんて味気ない 
 1930年代の中国。北の八卦掌の宗師、宮宝森(ゴン・パオセン)は引退を決意し、生涯をかけた南北統一の使命を託す後継者を探す。
 第一候補は一番弟子の馬三(マーサン)。一方、パオセンの娘で奥義六十四手をただ一人受け継ぐ宮若梅(ゴン・ルオメイ)も、父の反対を押して後継争いに名乗りを上げる。
 そんな中、パオセンが指名したのは、南の詠春拳の宗師で人格的にも優れた葉問(イップ・マン)だった。納得のいかないマーサンは、師であるパオセンへの恨みを募らせる。
 一方、諦めきれないルオメイも、イップ・マンを秘かに呼び出し、みごと八卦掌奥義六十四手で勝利を収めるのだったが。(「allcinema」より)


 詠春拳の使い手であり、ブルース・リーの師匠でもあるイップ・マン。

 「イップ・マン 葉問」から「イップ・マン 最終章」までと、これまでイップ・マンを描いた作品を観てきたが、そのイップ・マンを「恋する惑星」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のウォン・カーウァイ監督が描いたのが本作。

 今何故イップ・マンがこれ程取り上げられているんだろう。

 ここで描かれている内容は、もちろん史実に乗っ取ってはいるんだろうが、先に観た4作では「イップ・マン 葉問」あたりの時代に相当するような感じはするが、話は全く違う方向から描かれていたな。

 まず、カンフー・アクションだと思って観ると、かなり肩透かしを喰らうかもしれないな。

 冒頭の雨のシーンのアクション・シーンからしてもそうであるが、スロー・モーションを多用してのシーンで、アクションというよりはアート的な要素を強めにした映像になっている。

 そう言えば、クリストファー・ドイルが撮影監督を務めていたときの作品は、こういうスローやストップ・モーションを使った映像が印象的だったな。

 物語自体も今ひとつ掴み所が難しかったのもウォン・カーウァイらしいと言えば、らしい作品である。

 南北を統一する真のグランド・マスターを決めようとして、一時は詠春拳のイップ・マンが指名される。

 しかし、それを良しとしない者が裏切り、やがてイップ・マンを中心としたグランド・マスターたちの動乱の時代に翻弄された運命が描かれる。

 トニー・レオン演じるイップ・マンと、チャン・ツィー演じる八卦掌の使い手であるルオメイとの間に芽生える感情、そしてルオメイが、日本軍から逃げていたところを助けた、八極拳を極める謎の男、カミソリとの関わり。

 アクションも見せ場であるが、どちらかと言うと、人間ドラマをメインとした話になっていたな。

 真のグランド・マスターということになると、結局それがどうなったのかよく判らなかったし、カミソリ自体はそれ程イップ・マンやルオメイに関わっていた感じでもなかったな。

 もしかすると本作の一番のクライマックスは、父を殺されたルオメイが、その父の弟子でありながら、師匠を殺し、やがて日本側に付いたマーサンとの、雪が降り積もる駅での対決シーンだったのかもしれない。

 いずれにしても、物語の流れとしては掴み辛い作品ではあったが、映像を見せるという部分では、美しさもあって惹き込まれる作品だった。

/5

監督:ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン、チャン・ツィー、チャン・チェン、チャオ・ベンシャン、シャオ・シェンヤン、ソン・ヘギョ
    マックス・チャン、ワン・チンシアン、ユエン・ウーピン、ラウ・カーヨン、チョン・チーラム、カン・リー
於:TOHOシネマズ日劇

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