13-226「二流小説家 シリアリスト」(日本)

芸術をなすには聖域が必要 
 売れない小説家の赤羽一兵のもとに、連続殺人事件で死刑判決を受けた呉井大悟から、自分の告白本の執筆を頼みたいとの手紙が届く。
 呉井は自分の熱狂的な信者である三人の女性を取材し、自分を主人公とした官能小説を書いてくれれば、告白本の出版を許可すると告げた。
 一流小説家になりたい赤羽は官能小説の執筆を開始するが、取材のため三人目の女性を訪ねた際、頭部のない死体と赤いバラの花を発見する。
 それは12年前、呉井が起こしたとされる連続殺人事件とまったく同じ手口の犯行だった。(「allcinema」より)


 デヴィッド・ゴードンの原作を日本で映画化したサスペンス・ミステリー。

 原作はミステリー小説の3冠に輝いたいう触れ込みであったが、それは日本における三冠ということだったらしい。

 アメリカでも〝探偵作家クラブ〟の最優秀新人賞のノミネートに挙がってはいたらしいが。

 売れない作家の赤羽一兵のもとに、連続殺人事件で死刑判決を受けた死刑囚、呉井大悟から告白本の執筆の依頼がくる。

 何故自分なのか、という疑問を抱えながら、呉井に会いにいき、葛藤の末執筆を承諾した赤羽は、呉井の希望による、彼自身を主人公とした小説を執筆するために、呉井の熱狂的な信者である3人の女性を取材する。

 しかし、赤羽が取材した女性たちが、呉井が起こした殺人事件と全く手口で殺されるという殺人事件が発生し、赤羽も巻き込まれていく。

 単純に死刑囚の告白という感じのストーリーかと思っていたが、同時に殺人事件も発生し、小説家である赤羽が探偵役となって事件を調べるという話にもなっている。

 頭部を切断し、死体の周りには赤いバラを置く、というかなりサイコ的な犯罪。

 同じ手口の殺人事件が発生し、果たして呉井は本当は犯人ではないのか、という興味と共に、呉井という人物そのものにも興味を惹かれる。

 子供の頃に体験した出来事が、今に大きく影響していると思われる呉井大悟。

 そのほとんどは、刑務所内で赤羽と面会するシーンでの登場であったが、何を考えているのか、あるいは狂気を持ち合わせているのか、計り知れない人物だったな。

 赤羽一兵は、希望とは違って官能小説を書いている、いわゆる二流小説家という役柄で、ちょっと自分に自信が持てないような男。
 それは、いつもおどおどした感じの話し方にも出ている感じである。

 呉井大悟を演じたのは、武田真治で、赤羽一兵を演じたのは、上川隆也であったが、ちょっと役を作りすぎの雰囲気もあったな。

 アメリカの小説を原作とした日本映画の難しさが出ていたような気がする。

 呉井が犯したと言われる過去の事件と、全く同じ手口で起きた現在の殺人事件。
 この二つの真相を明らかにしながら、もう一つ捻ったところがあったのは、なかなか面白かった。

 単なる事件を扱ったミステリーではなく、殺人犯の心情も解き明かすような作品ではあったが、なるほどという納得はあれども、胸に響いてくるまではいかなかったかな。

/5

監督:猪崎宣昭
出演:上川隆也、武田真治、片瀬那奈、平山あや、小池里奈、黒谷友香、賀来千香子、でんでん
    高橋恵子、長嶋一茂、戸田恵子、中村嘉葎雄、佐々木すみ江、本田博太郎、伊武雅刀
於:丸の内TOEI
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