13-013「ブラインドマン その調律は暗殺の調べ」(フランス)

君も私も死ぬべき人間だと思っている 
 パリの高級マンションで、バラバラに刻まれた若い女性の死体が発見される。侵入された形跡もなく、目撃者もいない。
 捜査の指揮を任されたのは、妻を亡くして自暴自棄な生活を送るベテラン刑事のラサール。被害者の元恋人が容疑者として捜査線上に浮かんでくるが、ラサールだけは別の男に疑惑の目を向ける。
 それは前日に被害者の家を訪れた、盲目のピアノ調律師ナルヴィクだった。元軍人でアリバイもあり、さらに盲目の男。
 誰もが彼を犯人と思わなかったが、ラサールは自らの勘を信じて捜査を進める。(「KINENOTE」より)

 盲目の凄腕暗殺者と、妻を亡くし自暴自棄になっているベテラン刑事の対決を描いたフレンチ・ノワール。

 原案、脚本、製作にはリュック・ベッソンがあたっている。
 リュック・ベッソンの脚本はそれ程評価が高くはないのだが、本作もそれは違わずだったかな。

 冒頭、一人の女性が部屋で殺されるシーンから始まるが、その手段がちょっと「必殺仕事人」を彷彿させるもので、ちょっとこの先の興味をかきたてる。

 しかし、その女性の死体を15もの肉片に切り刻むということをするので、ちょっと冷静沈着な暗殺者のイメージはなくなってきたかな。

 その事件を追うのは、ベテラン刑事のラサールであるが、彼も妻を亡くしてから、深く心に傷を抱えている。

 そんな彼が目を付けたのが、女性の部屋にあるピアノを調律したという盲目の調律師ナルヴィク。

 第二の犯行が行われた時点で、犯人はナルヴィクだということが判るので、犯人捜しの物語ではなく、最恐の盲目の暗殺者に対し、人生に盲目になっている刑事がどのように追い詰めていくのか、という話になっている。

 ナルヴィクが何故殺しを重ねていくのか、という部分や、彼の心にあるもの。
 そして、ラサールの心の傷など、やや心情の描き方は弱かったかな、という印象。

 ナルヴィクが殺しを重ねる理由というのが、まあ請負殺人だということは判るのだが、ちょっと話が大きすぎて、今ひとつ納得し辛いところがあったかな。

 そのあたりは置いておいて、途中捜査から外されそうになったり、殺人の容疑者にされてしまうなど、壁にぶち当たりながら、ラサールが最後、どのようにナルヴィクの犯行を止めるのか、が興味深かった。

 それぞれ闇を抱えながら、自らの仕事を遂行しようとする、ラサールとナルヴィク。

 ラサールを演じたジャック・ガンブランと、ナルヴィクを演じたランベール・ウィルソンの二人のオヤジがなかなか渋くて良かったな。

 ナルヴィクは一応調律師だということで、邦題のサブタイトルを付けたのだと思うが、それ程調律する姿や、音楽が流れるというシーンがあったわけではなかったと思う。

 展開自体は今ひとつではあったが、二人のオヤジの渋さが目立つフレンチ・ノワールだった。

/5

監督:ザヴィエ・パリュ
出演:ジャック・ガンブラン、ランベール・ウィルソン、ラファエル・アゴゲ、アルノー・コソン
於:新宿武蔵野館

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