11-39「武士の家計簿」(日本)
そろばんザムライだからこそ
江戸時代後半。御算用者として代々加賀藩に仕える猪山家。その八代目、直之もまた幼い頃より算術を仕込まれ、そろばんの腕を磨いてきた。そして、いつしか“そろばんバカ”と揶揄されながらもその実直な働きぶりが周囲に認められていく。
やがて、町同心の娘お駒を嫁にもらい、めでたく出世も果たした直之。しかし昇進に伴って出費も膨らみ、家計は苦しくなる一方。そこで直之が父母に代わり猪山家の財政状況を調べ直してみると、なんと借金の総額は年収の2倍にも膨れあがっていた。
お家存亡の危機と悟った直之は、家財一式を売り払い借金返済に充てることを決断する。そして、自らこまかく家計簿をつけるとともに、世間体を顧みることなく創意工夫を凝らしながら倹約生活を実践していくのだった。(「allcinema」より)
武士の家計簿 - goo 映画
同時期に時代劇が多く公開されていたということで張られていた「ザ・サムライシネマ」というキャンペーン。
「十三人の刺客」「雷桜」「桜田門外ノ変」「最後の忠臣蔵」に続いて、ようやく最後となる本作の鑑賞。
ちなみにキャンペーン期間は過ぎてしまって、ご当地グルメの応募は出来なかったのだが。
ある古書店で偶然発見された、幕末に実在した猪山直之という武士が記したという家計簿を読み解き、そこから暮らしぶりを甦らせたという磯田道史の小説を映画化した作品。
実話ということではないが、記された家計簿は実際のものということだな。
幕末の武士の話となると、どうしても幕末の志士など、刀で生き様を見せていく話が多かったと思うのだが、本作は刀ではなく、算盤で激動の時代を生き抜いた武士と家族の物語。
多額の借金を返済するために、見栄も体裁も捨て、家財を売り払い、細かく日々家計簿をつけていく猪山直之の姿に、肩入れする気持ちになる。
猪山直之を演じたのは堺雅人であるが、厳しく家計簿をつけていくのだが、どうしてもちょっと笑いの雰囲気を感じてしょうがなかったな。
もちろん話の中にも笑えるエピソードもあるのだが。
猪山直之の妻、駒を演じたのが仲間由紀恵。しっかりと直之についていき、支える姿はこちらも印象良し。
中村雅俊演じた父親、信之、松坂慶子演じた母親、常はちょっとお笑い担当というイメージがあったが、それでも直之の言うことをきいて、大事なものを売る姿は少々かわいそうでもあったかな。
草笛光子演じたおばばや、信之、常は倹約生活の中で退場してしまうので、そこもかわいそうなところではあったが、最後の最後まで生活ぶりを変えなかった直之の信念は素晴らしかった。
息子である成之と、果たして最後にわかりあえたのかは、ちょっと読取りづらかったが、ラストを見ると、わかりあえたのだろうな、と思う。
途中直之が加賀藩の収支を調べていくうちに、ちょっとした陰謀に巻き込まれそうになるという展開があったが、基本的には家のために倹約生活を送ることにした猪山直之とその家族の行く末を描いた感じとなっている。
見栄や世間体を捨てての倹約生活。見習わなきゃいけないところもある気がするが、なんだかんだと付き合いだのあって、難しいところもあるな。
ちょっと異色の幕末の武士の話ではあったが、生きるためにとった行動ということでは武士の生き様の一つではあったかな。


+/5
監督:森田芳光
出演:堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、西村雅彦、草笛光子、中村雅俊
伊藤祐輝、藤井美菜、嶋田久作、宮川一朗太、小木茂光、茂山千吾郎、大八木凱斗
於:シネ・リーブル池袋
江戸時代後半。御算用者として代々加賀藩に仕える猪山家。その八代目、直之もまた幼い頃より算術を仕込まれ、そろばんの腕を磨いてきた。そして、いつしか“そろばんバカ”と揶揄されながらもその実直な働きぶりが周囲に認められていく。
やがて、町同心の娘お駒を嫁にもらい、めでたく出世も果たした直之。しかし昇進に伴って出費も膨らみ、家計は苦しくなる一方。そこで直之が父母に代わり猪山家の財政状況を調べ直してみると、なんと借金の総額は年収の2倍にも膨れあがっていた。
お家存亡の危機と悟った直之は、家財一式を売り払い借金返済に充てることを決断する。そして、自らこまかく家計簿をつけるとともに、世間体を顧みることなく創意工夫を凝らしながら倹約生活を実践していくのだった。(「allcinema」より)
武士の家計簿 - goo 映画
同時期に時代劇が多く公開されていたということで張られていた「ザ・サムライシネマ」というキャンペーン。
「十三人の刺客」「雷桜」「桜田門外ノ変」「最後の忠臣蔵」に続いて、ようやく最後となる本作の鑑賞。
ちなみにキャンペーン期間は過ぎてしまって、ご当地グルメの応募は出来なかったのだが。
ある古書店で偶然発見された、幕末に実在した猪山直之という武士が記したという家計簿を読み解き、そこから暮らしぶりを甦らせたという磯田道史の小説を映画化した作品。
実話ということではないが、記された家計簿は実際のものということだな。
幕末の武士の話となると、どうしても幕末の志士など、刀で生き様を見せていく話が多かったと思うのだが、本作は刀ではなく、算盤で激動の時代を生き抜いた武士と家族の物語。
多額の借金を返済するために、見栄も体裁も捨て、家財を売り払い、細かく日々家計簿をつけていく猪山直之の姿に、肩入れする気持ちになる。
猪山直之を演じたのは堺雅人であるが、厳しく家計簿をつけていくのだが、どうしてもちょっと笑いの雰囲気を感じてしょうがなかったな。
もちろん話の中にも笑えるエピソードもあるのだが。
猪山直之の妻、駒を演じたのが仲間由紀恵。しっかりと直之についていき、支える姿はこちらも印象良し。
中村雅俊演じた父親、信之、松坂慶子演じた母親、常はちょっとお笑い担当というイメージがあったが、それでも直之の言うことをきいて、大事なものを売る姿は少々かわいそうでもあったかな。
草笛光子演じたおばばや、信之、常は倹約生活の中で退場してしまうので、そこもかわいそうなところではあったが、最後の最後まで生活ぶりを変えなかった直之の信念は素晴らしかった。
息子である成之と、果たして最後にわかりあえたのかは、ちょっと読取りづらかったが、ラストを見ると、わかりあえたのだろうな、と思う。
途中直之が加賀藩の収支を調べていくうちに、ちょっとした陰謀に巻き込まれそうになるという展開があったが、基本的には家のために倹約生活を送ることにした猪山直之とその家族の行く末を描いた感じとなっている。
見栄や世間体を捨てての倹約生活。見習わなきゃいけないところもある気がするが、なんだかんだと付き合いだのあって、難しいところもあるな。
ちょっと異色の幕末の武士の話ではあったが、生きるためにとった行動ということでは武士の生き様の一つではあったかな。



監督:森田芳光
出演:堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、西村雅彦、草笛光子、中村雅俊
伊藤祐輝、藤井美菜、嶋田久作、宮川一朗太、小木茂光、茂山千吾郎、大八木凱斗
於:シネ・リーブル池袋
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