10-188「孤高のメス」(日本)

命をつなぐ者
 現役の看護師でありながら病院内で適切な処置を受けられずに急死した浪子。彼女の葬式を終えた息子で新米医師の弘平は、母の遺品の中から一冊の古い日記帳を見つける。そこには、看護師としての様々な日々が綴られていた。
 1989年。大学病院に依存し、外科手術ひとつまともに出来ない体たらくの地方病院、さざなみ市民病院。そこへ、ピッツバーグ大学で高度な外科医術を身につけた医師・当麻鉄彦が第二外科医長として赴任する。院内の旧態依然とした慣例に囚われず、患者のことだけを考えて正確かつ鮮やかに処置を行う当麻。彼のひたむきな姿勢は周囲の反発を招く一方、腐敗した病院に風穴を開け、オペ担当のナースとして当麻と一番身近に接していた浪子も仕事への情熱を取り戻していくのだった。
 そんなある日、市長の大川が末期の肝硬変で搬送されてくる。当麻は、大川を救済する唯一の手段だが日本の法律ではまだ認められていない脳死肝移植を施すことを決断するが。(「allcinema」より)

孤高のメス - goo 映画

 地方の市民病院を舞台に、患者の命を救うことだけを考えメスを振るい続け、やがて当時法律では認められていない脳死肝移植手術に挑むこととなった一人の医師の姿を描くヒューマン・ドラマ。

 深刻な患者は全て大学病院の任せている市民病院の実態を描いている部分は、現在の医療問題も取り上げているようである。
 
 当麻先生以外の、大学病院から派遣されてきた医師たちの態度を見ていると、本当にこれが実際なら、病院という場所、そしてそこで受ける手術というものが怖くなるな。

 そんな医療というものへの態度を疑いたくなるような状況の中で赴任してきた、堤真一演じる当麻先生の、患者に対する真摯な態度が、周囲の人々へも影響していく。

 ピッツバーグの大学で高度な技術を学び、これだけの腕を持ちながら、市民病院へと赴任してきた当麻先生のバック・ボーンが今ひとつハッキリされていなかったので、ちょっとスッキリとしない部分も無きにしも非ずではあったな。

 生瀬勝久演じる野本先生など典型的なキャラではあったと思うのだが、もっと当麻先生との対立の図があると思っていたのだが、そういう部分はほとんどシーンでは描かれなかったな。

 メインとなる脳死肝移植の手術に関しても、もっと風当たりの強いものとなるのかと思ったが、手術自体は案外アッサリと進められていったな。

 タイトルの通り、周囲との対立の中で一人立ち向かうという孤高の〝医師〟を描いている話ではなく、ただ患者を救いたいがために手術を行っていく、孤高の〝メス〟を描いた作品だったな。

 物語の舞台は1989年。看護士であった夏川結衣演じる中村浪子の日誌を、息子である成宮寛貴演じる弘平が読むことによってストーリーが回想のように綴られる。

 浪子の日誌、つまり浪子の視点による当麻先生が描かれているので、結局当麻先生の深い心情などはそれ程描かれなかったかな。

 客観的に見ても、それ程素晴らしい医師であったということだろう。

 願わくば、当麻先生のような医師ばかりであるといいと思うのだが。

 ただ手術の時に演歌を流すというのは、実際だったら微妙な気持ちになってしまうな。

 エンターテインメント的な要素は少なめに、医療現場の問題と、医療に対する心構えを訴えるような作品。
 見応えはある内容の作品ではあった。

/5

監督:成島出
出演:堤真一、夏川結衣、吉沢悠、成宮寛貴、余貴美子、生瀬勝久、柄本明、中越典子
    松重豊、矢島健一、平田満、徳井優、本田大輔、隆大介、安藤玉恵、でんでん
於:丸の内TOEI
孤高のメス
コロムビアミュージックエンタテインメント
2010-06-23
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