09-311「さまよう刃」(日本)

揺れる魂
 ある日、長峰重樹の中学生になる娘・絵摩が、未成年の少年グループに理不尽に凌辱された末、荒川の河川敷で無惨な死体となって発見される。妻を亡くし、娘の成長だけを楽しみに生きてきた長峰は絶望に打ちのめされてしまう。
 そんな長峰のもとに、犯人が菅野と伴崎であるとの匿名の密告電話が入る。知らされた伴崎のアパートに向かった長峰は、そこで犯行の一部始終を収めたビデオテープを発見する。激しい怒りに駆られた長峰は、やがて帰宅した伴崎を刃物で刺殺してしまう。
 その後、長峰から伴崎殺害を自供する手紙を受け取った捜査本部の織部と真野は、手紙に綴られた少年法に対する無力感に複雑な思いを抱きながらも、さらなる凶行を食い止めるべく、長峰の行方を追うのだったが。(「allcinema」より)

さまよう刃 - goo 映画

 東野圭吾が原作。娘を理不尽に殺され、しかもその犯人が、未成年であることから望むべく刑を与えることができないということを知り、自らの手でその裁きを与えようとする父親の姿を描くサスペンス。

 題材、内容からしても非常に興味深い作品で、なかなか惹きつけられる作品ではあったが、観ていて、複雑な気持ちにもなる作品だった。

 少年犯罪と少年法。そして被害者の肉親。この題材は度々目にするもので、覚えている限りでは「太陽の傷」そして最近鑑賞した「狼の死刑宣告」などがある。

 本作は、娘を殺された、寺尾聰演じる長峰重樹の心情、葛藤と犯人を追う姿を描いているが、意外と長峰自身の心情を表したシーンは少なかったのではないだろうか。

 途中、警察に宛てて出した手紙で心情を吐露したシーンやビデオを観て、衝撃を受けるシーンはあるが、それ以外は黙々と行動している感じである。

 どちらかと言えば、本作は、娘を殺され、犯人に復讐を行う男に対する周囲の葛藤を描くことに重点を置いているような気がする。

 長峰を追う二人の刑事、竹野内豊演じる織部と伊東四朗演じる真野の長峰に対する感情と行動。
 途中長峰が立ち寄る、酒井美紀と山谷初男演じるペンション・オーナーの父娘の言動。

 彼らの言動も感情と理性の間で揺れ動いたものである。第三者としても、なかなか判断しにくい問題である。

 個人的には、長峰の復讐もわからぬでも無いが、客観的な立場から言えば、やっぱり法治国家だから、法も大事だという気持ちもある。

 結局、同じく東野圭吾原作の「手紙」と同じように、実際その立場になってみなければ、正直判らないことだろうな。

 長峰が第1の罪を犯してから、もう一つの罪を犯そうかという間がかなり長くて、その間に本人の感情や周囲の言動を映し出す展開だが、やや間延びした感じがしたかな。

 それと、犯人に関係していると思われる、中井誠の存在も今ひとつ活かされなかったような気がする。

 真野が語った「長峰さんにはもう未来はない」という言葉の意味と、織部が最後にとった行動の真意。ここもハッキリとさせるところが無くて、やや消化不良かな。

 でも、退屈するとか、そういうことはない作品ではある。

/5

監督:益子昌一
出演:寺尾聰、竹野内豊、伊東四朗、長谷川初範、木下ほうか、池内万作、岡田亮輔、佐藤貴広、黒田耕平
    酒井美紀、山谷初男、富永研司、中村有志、高瀬尚也、吉田友紀、松本匠、森下サトシ、希野秀樹
於:丸の内TOEI
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2010-04-21

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