09-72「いのちの戦場 -アルジェリア1959-」(フランス)

心に足元をすくわれるな
 1954年、フランスからの独立を求め、アルジェリア民族解放戦線(FLN)が武装蜂起する。フランスはこれを押さえ込むため大規模な軍隊を投入、戦争へと発展する。
 1959年、フランス軍はゲリラ戦を展開する解放戦線に苦戦を余儀なくされ、戦況は出口の見えない泥沼化の一途を辿っていた。そんな中、戦死した前任者の後釜としてカビリア地方に赴任してきたテリアン中尉。さっそく向かったタイダ村で、テリアンは情報を引き出そうと村人に暴力を振るう部下のベテラン兵士を制止する。過酷な戦場でも人間性を保ち節度ある行動を自らに課そうとするテリアンだったが。(「allcinema」より)

いのちの戦場 -アルジェリア1959- - goo 映画

 フランスが公式に戦争だと認めたのは1999年。それまでタブー視されてきた〝アルジェリア戦争〟をブノワ・マジメルが企画立案、主演して描いた〝戦争ドラマ〟。

 よく知らなかったのだが、〝戦争〟ではないということは、拷問や虐殺が行われ、使用禁止兵器も使用してもいいということなのだろうか。
 確かにここに描かれる残酷さは、戦争映画で描かれることとは少し離れていて、テロリストを描いた作品などを思い出させるような感じもしたな。

 ブノワ・マジメル演じるテリアン中尉が、最初は知的で、理想の高かった男だったのだが、長らく戦場で従事するうちに、徐々に理性を失っていく姿を描いており、このあたりは他の戦争映画でもあるような内容だったな。

 結構残虐な行為を描くシーンが多く、先に触れた拷問シーンに、虐殺シーンが多く出てくる。映画として観ていると、展開の中の1シーンとしてしか受け止めないかもしれないが、実際このようなことが行われていたと考えると、なるほど凄惨な戦いであったんだな、と恐れを感じるほどである。

 長年フランスの植民地となっていたアルジェリア。世界大戦ではアルジェリアの人間はフランスと共に従軍して、フランス軍として共に戦っていたようであるが、それがここでは敵対し、殺し合う状況。
 敵であっても認め合うものがいれば、恨みを持つ者もいるという、複雑な状況となっている。

 戦闘シーンなどもかなり臨場感があり、凄惨なシーンも多く、結構観ていると気が張ってしまうが、基本的に〝アルジェリア戦争〟の実際を見せるような作品で、ドキュメンタリー映画の雰囲気が強い作品だったかな。
 どちらかに、あるいは誰かに感情移入するというところまでいく作品ではなかったな。

 テリアン中尉のラストのシーンは、フランス映画らしいラストだったな、という印象。

/5

監督:フローラン=エミリオ・シリ
出演:ブノワ・マジメル、アルベール・デュポンテル、モハメッド・フラッグ、マルク・バルベ
    エリック・サヴァン、オーレリアン・ルコワン、ヴァンサン・ロティエ
於:新宿武蔵野館
いのちの戦場 -アルジェリア1959- [DVD]
ツイン
2009-08-05


Amazonアソシエイト by いのちの戦場 -アルジェリア1959- [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • いのちの戦場 アルジェリア1959

    Excerpt: 製作年:2007年 製作国:フランス 監 督:フローラン・シ Weblog: いつか深夜特急に乗って racked: 2009-03-29 18:37
  • いのちの戦場 -アルジェリア1959-/ブノワ・マジメル

    Excerpt: フランスがアルジェリアで戦争をしていたという史実は何となく知識としてはありましたけど、それがベトナム戦争と同様に泥沼化した悲惨な出来事だったというのはつい最近まで全く知りませんでした。そもそもどんな戦.. Weblog: カノンな日々 racked: 2009-03-30 07:28
  • いのちの戦場 -アルジェリア1959- :大阪ヨーロッパ映画祭

    Excerpt: 『裏切りの闇で眠れ』で主演したブノワ・マジメルが立案・主演した フランスの戦争映画。1959年、独立を求めるアルジェリアへ、フランス志願兵テリアン中尉が 赴任してきた。拷問と殺戮の戦場は彼を極限まで追.. Weblog: だらだら無気力ブログ racked: 2009-03-31 00:40
  • いのちの戦場▼アルジェリア1959

    Excerpt:  原題:L'ENNEMI INTIME この歴史的悲劇を世界が知らないのはなぜか仏政府がそれが〈戦争〉だったと公式に認めたのがようやく1999年であったのはなぜか 戦争を知らない世代だからこそ描け.. Weblog: 銅版画制作の日々 racked: 2009-04-08 23:44
  • いのちの戦場-アルジェリア1959年■このような「戦争」は現在進...

    Excerpt: アルジェリア戦争と映画との関連で最も有名なものは「シェルブールの雨傘」であろう。カトリーヌ・ドヌーヴ演じるヒロインの恋人はアルジェリア戦争に出征していく。「5時から7時までのクレオ」においてクレオが出.. Weblog: 映画と出会う・世界が変わる racked: 2009-06-01 11:13
  • 「いのちの戦場-アルジェリア1959年」から憲法9条を考える

    Excerpt: アルジェリア戦争に関係ある映画としては「ジャッカルの日」があった。あのドゴール暗殺計画の原因となったものこそ、ドゴールがアルジェリアからの撤退の決断であったのだ。「アルジェリアはフランス固有の領土」で.. Weblog: 映画と出会う・世界が変わる racked: 2009-06-02 11:42
  • いのちの戦場 - アルジェリア1959 -

    Excerpt: 7月4日(土) 16:00~ 三軒茶屋中央劇場 料金:0円(二本立ての二本目) パンフレット:非売 いのちの戦場-アルジェリア1959- [DVD]出版社/メーカー: ビデオメーカーメディア: D.. Weblog: ダイターンクラッシュ!! racked: 2009-07-06 06:53
  • いのちの戦場

    Excerpt: 「いのちの戦場」鑑賞。アルジェリア独立戦争の様子を描いた映画である。 http://www.1959.jp/ 味方をして「やめてくれ」と言わせしむるナパーム弾とは何なのだろう。人間が高温の.. Weblog: 鬱病を撃つ病で克服しよう racked: 2009-08-11 23:50
  • 「いのちの戦場ーアルジェリア1959ー」

    Excerpt: 長らく、このことがフランスにとっての暗部として、タブー視されてたんですねぇ・・ Weblog: 心の栄養♪映画と英語のジョーク racked: 2009-08-22 11:05
  • いのちの戦場-アルジェリア1959-

    Excerpt: 1959年、アルジェリア。 Weblog: 悠雅的生活 racked: 2010-03-11 10:42
  • 映画評「いのちの戦場-アルジェリア1959-」

    Excerpt: ☆☆★(5点/10点満点中) 2007年フランス映画 監督フローラン・エミリオ・シリ ネタバレあり Weblog: プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] racked: 2010-03-18 14:01