321「ボディ・ジャック」(日本)

幕末の志士が憑依する男
 かつて学生運動に身を投じていた澤井テツは、今はコピーライターをやっていた。妻と娘が一人いるが、学生運動の挫折ゆえ、毎晩酒びたりの生活を送っていた。
 そんなある日、酔っ払いや独り言人間の顔に青白い幽霊のような顔がオーバー・ラップして見えるようになる。やがてテツは自分が土佐弁を使う侍に憑依(ボディ・ジャック)されていることを悟る。その侍が言うには、次々と起こる無差別で突発的な事件は、彼が追いかけている侍の霊がとり憑いて、事件を起こしている。それを止めるためにテツに憑依し、その霊を見つけだすのを手伝ってほしいと。
 無理やり巻き込まれてしまったテツは、学生時代の先輩・吉岡が殺傷事件の犯人として報道されるテレビのニュースで、吉岡の顔に人斬りの霊の顔を見るのだった。

ボディ・ジャック - goo 映画

 元学生運動に従事していた中年男が、幕末の志士の霊にとり憑かれ、人斬りの霊を探すうちに、大切なものや情熱を取り戻していくという再生の物語。

 予告編は観たことはなかったが、チラシの雰囲気から観たいな、と思っていた。しかし、劇場が大森ということで、なかなか足を運ぶ機会がなく、鑑賞することを断念しかけたのだが、意外なヒットらしく、銀座のテアトルシネマでも緊急上映。お蔭で鑑賞することができた。

 幕末の志士の霊に憑依(ボディ・ジャック)される一人の中年男。ホラーではない。しかし、現実的な話でもないので、ファンタジーということか。スピリチュアルストーリーと呼んでいるようだが。
 その霊と共に、同じく人にボディ・ジャックしては事件を起こしている霊を捕まえるために行動するテツ。霊と話している姿は、端から見れば、独り言を言っているように見える。そんな霊のとり憑かれたテツだが、それによってコミカルに見せるシーンはほとんど皆無。基本的にはシリアスな人間ドラマとして展開していく。

 テツと霊の、人探しならぬ霊探しの展開と、家族ともすれ違いがちだったテツ自身の物語が同時に進行していき、それなりに面白かったかな。
 かつて学生運動に従事したテツと幕末の志士。お互い革命に身を投じた者同士というのがキーワードになっているようだ。

 テツに憑依した霊は一体誰なのか、興味をそそられたが、如何せん歴史には弱い自分。その正体が武市半平太だと言われても知らなかった。彼が探す霊が岡田以蔵、人斬り以蔵。これは名前を聞いたことはあるが、詳細は知らず。彼らのことを知っていれば、もっと楽しめたのかな?

 クライマックスには、この半平太と以蔵の対決シーンがあり、突然アクション映画になったような感じである。それにしても最後に坂本龍馬の霊まで登場したのはやり過ぎのような気がしたな。

 半平太の霊と共に行動し、話し合い、刺激され、情熱を取り戻していくテツの様子はありきたりではあるが、なかなか良かった。
 ただテツの再生の物語だけでなく、そこに幕末の志士の霊が憑依するという奇抜な設定が面白かったな。

 テツが学生運動に従事していた頃のシーンも何度となく出てくるが、さすがにテツ役高橋和也の学生役は違和感あるかな。それ以上にきつかったのは、妻・玲子役の星ようこのセーラー服姿だな。もう少しメイクなどどうにかならなかったのか? どう見ても姉役の重泉充香よりも年上にしか見えなかったぞ。

 銀座での上映は2週間だが、毎日イベントがあるようで、その日は上映後に映画評論家の佐藤健志氏と画家で桃色ゲリラの主催者・増山麗奈氏のトーク・ショーがあった。しかも倉谷監督自身も客席に登場していた。

/5

監督:倉谷宣緒
出演:高橋和也、柴田光太郎、安藤希、星ようこ、重泉充香
    小林且弥、内浦純一、吉満涼太、美保純、浜田学、笠兼三
於:銀座テアトルシネマ
ボディ・ジャック オリジナル・サウンドトラック
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2008-11-26
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    Excerpt: 10月26日(日) 17:00~ キネカ大森1 料金:1000円(Club-Cテアトル会員料金) プログラム:800円(もする。買っていない。) 『ボディ・ジャック』公式サイト 原作が某団体の会員.. Weblog: ダイターンクラッシュ!! racked: 2008-12-24 01:51