226「シルク」(台湾)

君も死んで、幽霊になりたくないか?
 かつて天才物理学者として名を馳せていた橋本は、現在台北で日本政府肝いりの研究に従事していた。彼は様々な電磁波を吸収できるという〝メジャー・スポンジ〟を発明し、これを使って少年の幽霊を捕獲することに成功する。橋本は少年の背景を調べるために、敏腕刑事のイェン・チートンを新たに仲間に入れ、その調査を依頼する。チートンは並外れた動体視力と読唇術を持ち、彼は少年の目と目の間から細い糸が出ていることに気付く。やがてチートンは少年の素性を調べ始めるが、橋本には本当の目的が別にあった。

シルク - goo 映画

 シネマート六本木で開催されている「台湾シネマ・コレクション2008」。その特別上映作品がこの一作。何故特別かのかは判らぬが、江口洋介が出演し、更にチャン・チェン、チェン・ボーリンなど日本でも知られている俳優が出演している。
 内容はサスペンス・ホラーであるが、SF的な味わいもある一本である。

 舞台は台湾であるが、橋本演じる江口洋介は、最初に少し英語を話すだけで、あとは全て日本語。それに対し、チャン・チェンやチェン・ボーリンらは日本語を話している。チェン・ボーリンは「暗いところで待ち合わせ」「シュガー&スパイス 風味絶佳」でも日本語を披露していたな。

 少年の幽霊が最初から最後までほぼ出ずっぱりなのだが、さすがにずっと姿を見せているとそれ程怖さは感じない。しかし時々恐ろしい姿を見せたりする。一番怖いのは道路上で発砲したチートンの目の前に少年の幽霊がいたことだろう。
 そして本当に怖いのは、クライマックスに登場する幽霊。これは現在オーソドックスになっている幽霊の姿を見せているのではないだろうか。

 この作品では人は死んで必ずしも幽霊になるとは限らない。幽霊となった少年を調べていくうちに悲しい事実と、母と息子の愛情が描かれる。これはチートンとその母親の話にも通じていく。
 
 さすがにSF的ホラーだけに、突っ込みたくなるシーンもあるが、なかなか面白い作品ではあった。単なるホラーというわけでもなく、死後の不思議を問うような少々神秘的な内容でもあった。まあクライマックスは結局ホラーだったんだが。
 江口洋介もどこかとり憑かれたような科学者を演じていたが、チャン・チェンも母親に対する気持ちと恋人に対する気持ち、多くのものを背負いすぎた男をクールに演じている。

 橋本は糖尿病のために片脚を引きずっている役柄だが、劇中に何度か「び○こ」という言葉が出てくる。これ、いいのか? と思っていたら、上映後に作品のオリジナル性を活かして、そのまま使用したという文章が出ていた。考えてみたら、元々台湾映画であるし、原語ではどういう訳をされていたのだろう?

/5

監督:スー・チャオピン
出演:チャン・チェン、江口洋介、チェン・ボーリン、バービー・スー、カリーナ・ラム、チャン・チュンニン
於:シネマート六本木
シルク [DVD]
エスピーオー
2009-07-24

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  • シルク/チャン・チェン、江口洋介

    Excerpt: これも台湾シネマコレクションの1作品なんだけど、ワタシ的には江口洋介さんの出演作という点に惹かれてしまいました。主演がチャン・チェンでカリーナ・ラム、チェン・ボーリン、バービィー・スーと私でも知ってる.. Weblog: カノンな日々 racked: 2008-09-05 00:16
  • シルク

    Excerpt: 超大作スリラー『ダブル・ビジョン』の脚本家としても名高い スー・チャオピン監督が手がけたサイエンス・スリラー。 死後の世界に強烈に惹かれている橋本は、少年の幽霊を捕獲することに成功。 だが少年の霊.. Weblog: だらだら無気力ブログ racked: 2008-12-05 08:44
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    Excerpt: シルク~詭絲~ 監督: スー・チャオピン    出演: チャン・チェン、江口洋介、カリーナ・ラム、チェン・ボーリン、バービー・スー 公... Weblog: 映画@見取り八段 racked: 2009-12-07 19:08