216「TOKYO!」(フランス・日本・韓国・ドイツ)

東京のちょっと変わった話
 マンホールの中から突然現れては街中で奇行を繰り返し、道行く人々に危害を加える神出鬼没の謎の男。メディアでも大きく取り上げられて、いつしか〝下水道の怪人〟と呼ばれるようになり、東京の人々を恐怖に陥れるようになっていた。やがて彼の名はメルドということが判明するが。(「メルド」)
 10年間引きこもりの生活を送る一人の男。食事は宅配を頼むが配達人とは目を合せようとはしなかった。土曜日には必ずピザを頼むが、その土曜日、ピザを配達に来たのは美しい少女だった。思いがけず、少女と目を合わせてしまう男。その瞬間突然大地が大きく揺れ、少女は気絶してしまう。(「シェイキング東京」)

TOKYO! - goo 映画

 ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノという3人の監督が東京を舞台としたストーリーを紡ぐオムニバス作品。
 それぞれの作品には一癖も二癖もあるので、なかなかとっつきにくいところがある。
 「エターナル・サンシャイン」「恋愛睡眠のすすめ」で独特の世界を描いていたミシェル・ゴンドリーの「インテリア・デザイン」はやっぱり後半からは何とも不条理で少々キュートな世界に入り込んでいく。
 「何のために生きているのか?」と自問する女性が得る答えというのが、これ。

 実はレオス・カラックス監督の作品は観たことがない。そういうわけで、どういう作風なのかは判らなかったのが、苦手なフランス映画の監督ということで心配はしていたが、そういう雰囲気ではなかったかな。でもよく判らないのは変わらずか。〝下水道の怪人〟と言われる男の名は〝糞〟という意味の〝メルド〟。人種差別主義者で旧日本軍の武器が残された地下に住み、好物は〝菊の花〟と〝紙幣〟。これは何かしら意味があるのかもしれないが、何となく日本の嫌な部分を示されているようで、あまり気分はよくなかったな。

 「殺人の追憶」「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」などポン・ジュノ監督の作品はいくつか観ているが、作風よりも題材にされた〝引きこもり〟というのが印象的。韓国語でも〝ひきこもり〟というらしく、「アパートメント」という映画でも日本が発祥のことがらなどと紹介されていたような気がする。
 ただ、作品としてはロマンティック・ファンタジーっぽくて、一番惹きつけられやすい作品ではあったかな。やっぱり蒼井優がちょっと気だるげな少女を印象的に演じている。

 TOKYOという街を舞台にした一風変わった作品を揃えた作品。これは全てが一般受けするような作品ではないだろうな。

/5

「インテリア・デザイン」
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:藤谷文子、加瀬亮、伊藤歩、大森南朋、妻夫木聡、でんでん

「メルド」
監督:レオス・カラックス
出演:ドゥニ・ラヴァン、ジャン=フランソワ・バルメール、石橋蓮司、北見敏之、嶋田久作

「シェイキング東京」
監督:ポン・ジュノ
出演:香川照之、蒼井優、竹中直人、荒川良々、山本浩司、松重豊

於:シネ・リーブル池袋

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この記事へのコメント

睦月
2008年08月21日 16:20
こんにちわ。

本当にクセモノぞろいのオムニバスでしたね。私はどれもこれも好きな作品ばかりだったけれど(ぴあの出口調査で100点!って答えたし 笑)、たしかに一般受けは難しそう。

カラックスはきっとアンチジャパニーズでしょうね(苦)。主役を日本人にしなかったのは彼の作品だけだし、日本の紙幣と、日本を代表する花・菊を食らう怪人だなんて、日本へのあてつけとしか考えられないもん(苦笑)。好きな監督なんだけどなあー。フランス映画として製作するならカラックスはいい仕事するですけどね。
2008年08月23日 16:33
睦月さん、コメントありがとうございます。
何となく半分予想はしていたけど、なかなか一癖、二癖ある作品でしたね。
ぴあの出口調査で100点!? もしかしたら次のぴあに載る?

カラックスの作品は、苦手ないかにもフランス映画っぽいので観たことなかったんですが、この作品自体は入りやすい作品ではありました。
ただ言われるとおり、ちょっと日本嫌いなのかもしれませんね。
よくこの作品受けましたね。というかやってやろう! と思ったのかな。

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