184「闘茶 Tea Fight」(日本・台湾)

重要なのは自分自身との闘い
 京都の老舗茶屋〝八木茶舗〟の主人・八木圭は、お茶に没頭していた数年前、愛する妻を亡くしてしまい、それを八木家に伝わる〝黒金茶の呪い〟と信じていた。以来お茶への情熱を圭は失くし、店は開店休業状態になっていた。
 そんな父に立ち直ってほしいと願う娘の美希子は、古代中国で行われていた〝雄黒金茶〟と〝雌黒金茶〟の闘茶に八木家が深く関わっていたことを知り、父の言う呪いを解くため、一人で台湾へと渡る。
 一方台湾では、闇の茶市場を牛耳る若き天才茶人・ヤンと謎の美女・ルーファが〝雄黒金茶〟を虎視眈々と狙っていた。

闘茶 tea fight - goo 映画

 幻のお茶〝黒金茶〟の呪いとそのお茶を巡る人たちの物語。日本・京都と台湾・台北を舞台に物語は繰り広げられる。
 お茶という身近な飲み物でありながら、物語はかなり壮大、というよりも少々荒唐無稽である。おそらく〝黒金茶〟というのは実際にはないお茶なのであろうし、その呪いとなれば、それこそホラーである。お茶というものを巡る一種のファンタジーのようなもの。

 冒頭は〝黒金茶〟の悲しい歴史をアニメーションで解説しており、さらに香港俳優のエリック・ツァンが〝お茶の神様〟という役どころで、物語を解説する。このエリック・ツァンが随所で様々な役どころで登場し、物語の進行役を勤めている。

 父の言う〝黒金茶〟の呪いを解くため台湾へと渡る美希子。それを追う父親の圭。そして台湾では、〝黒金茶〟
を狙うヤンとルーファの美男美女が現れる。この二人も悲しい過去を持つ二人である。
 こうして〝黒金茶〟を巡って4人の人間が集まり、最後にはタイトルとなる〝闘茶〟を行うわけである。
 この〝闘茶〟というのは実際に中国で行われていたお茶の競技らしく、それぞれが茶葉を持ち寄り、幾つかの基準で競い合うというものらしいが、この〝闘茶〟によって一番重要とされるのが、自分自身との闘いということらしい。こうして、圭、美希子、ヤン、ルーファは〝闘茶〟を通して、己と向き合い、己を乗り越えていくということになる。
 ストーリーとしては、ちょっとアクセントの弱い作品ではある。やっぱり、なかなか現実的な部分で受け入れ難いところがあるのかな。
 CGを使ったり、お茶の神様が登場したりと、ちょっとファンタジー的要素を加えながら、現実的な話として進めているが、やや捉えがたいものがあった。

 実際、日本でのお茶というと茶道ということになり、どちらかというと〝静〟である。対して、台湾(中国?)のお茶は何となく〝動〟という感じ。それは最後の〝闘茶〟のシーンでも感じられる。圭は座って黙々と茶を淹れるが、ヤンとルーファは舞いながら、お茶を淹れている。
 
 日本の茶道のお茶って苦いというイメージもあるが、中国のお茶は普通に飲めるという印象。
 ちょっと中国茶が飲みたくなるような気もしたし、台北の観光スポットを紹介したようなロケ地など、そのあたりはなかなか楽しめた作品である。

/5

監督:ワン・イェミン
出演:香川照之、戸田恵梨香、ヴィック・チョウ、チャン・チュンニン
    細田よしひこ、ほんこん、藤田陽子、エリック・ツァン
於:渋谷シネマライズ
闘茶~Tea Fight~ 通常版 [DVD]
キングレコード
2009-05-13

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