163「屋敷女」(フランス)

狂乱の果てに、命一つ
 4ヶ月前に交通事故で夫を亡くしたサラは、臨月のお腹を抱え、クリスマス・イブの夜、一人で家にいた。その時玄関のドアを叩く音が聞こえ、見知らぬ女が電話を貸してほしいと申し出る。不審に思ったサラはがとりあわずにいると、女は急に態度を硬化させ、強引に家に侵入しようとする。サラが慌てて警察を呼ぶと、女はその間に姿を消していた。
 不安を抱えながら、ベッドで眠りに就くサラ。しかし、女はすでに家に侵入していた。女はベッドに眠るサラのお腹に向けて、ハサミを突き立てようとするのだった。

 予告を観た印象からは、かなりスプラッターな作品を期待した。とは言え、「屋敷女」というタイトルとフランス映画であるということから「変態村」のように少々アート系の作品ではないかという不安もあった。それに狙われる妊婦と狙う謎の女。この二人のやり取りが最後まで続くような展開かと思ったりもしたが。

 実際は期待通りのかなり強烈な作品である。サラを狙う謎の女。何故サラを狙うのかわからないが、ハサミを手にサラを狙う。あるいはお腹の中の子か? そして途中、サラの母親や恋人。刑事たちもサラの家にやってくるのだが、その度に強烈なシーンが展開される。
 ハサミを手に突き刺す。ハサミを脳天に突き刺す。かぎ編み針を眼につき立てる。頭を拳銃で吹っ飛ばす。これらの映像が次々と展開され、その残虐シーンはヒート・アップして、この最悪の一夜、一体最後はどのような結末になるのか、興味をかきたてられる。
 結構期待通りのスプラッター的な内容であった。

 しかし!

 R-18というレイティングがされていたが、更に映像に手を加えられ、かなり画面が見えづらくしてあった。
 「キャプティビティ」という作品では残酷シーンと思われる3つのシーンが、画面が暗くなり見えなくなっていたが、本作では女が家に入ってきてからはほとんどの映像は明度が落とされた感じになっており、はっきりと見えないシーンが続いてしまった。どっちの女が攻撃しているのか、劣勢に立っているのかもわからないシーンもあった。
 狙う女を演じたベアトリス・ダルによると、内臓が飛び出たり、脳味噌が顕わになったりしていたらしいが、それも全然見えなかった。おそらく終盤は流れ出た血で真っ赤な世界となっていたであろうが、それも認識できず。何とももどかしい映像である。

 ストーリー展開も、その映像内容も好みであったが、それ故手を加えられた映像にちょっとがっかりであった。

/5

監督:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
出演:ベアトリス・ダル、アリソン・パラディ、ナタリー・ルーセル、フランソワーズ=レジス・マルシャン
    ニコラ・デュヴォルシェル、ルドヴィック・ベルシロー、エーマン・サイディ、エマニュエル・レンツィ
於:渋谷ライズX
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2009-01-07


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この記事へのコメント

睦月
2008年06月29日 20:18
そうそう!!
これって『キャプティビティ』と同じ手法で映像調整されてましたね。でも、あの作品の場合、上映前に一言断りが入ったのでまだ納得も出来ましたが、本作の場合、何の予告もなしに暗くなるんだもん!!アレにはホントに苛立ちましたわ。

オリジナルはもっともっと凄まじいらしいです。それをスクリーンで観るからこその醍醐味なはずなのに・・・あんなに映像調整されていては、面白さもかなり減退ですよねー・・・。
2008年07月02日 00:42
睦月さん、コメントありがとうございます。
本当にあの映像には残念この上ないです。
確かにあらかじめ予告しておいてもらえば、また違ったかもしれませんが。
でも、これだけ見にくかったら、予告されてても怒るかも(苦笑)。
せっかく映画館で上映するんですから、ちゃんと見せてほしかったです。
R-18だったのに・・・
2008年07月16日 22:50
CINECHANさん、こんばんは。

ホラー、グロ好きな自分としては
なかなかの満足度に達しそうな作品だけど・・・
やっぱりあの映像の暗さが惜しいですよね!!
本当、あの暗さのせいでどっちがどっちなんだか
よくわからないシーンがたくさんありましたよ。
よくわからないというか、真っ暗なだけ
というシーンもありましたよね(苦笑)
2008年07月17日 00:39
swallow tailさん、コメントありがとうございます。
いやぁ~ ホラー好き、グロ好きには満足の一本でしょうね。
私も結構期待通りで満足でした。
でも言われるとおり、あの映像には参りましたね。
>よくわからないというか、真っ暗なだけ
というシーンもありましたよね(苦笑)
確かにその通りでした。

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