114「譜めくりの女」(フランス)

少女の夢を砕いたこと
 もの静かな少女メラニー・プルヴォストの夢はピアニストになること。その実現のため、並々ならぬ情熱を注いできた。しかし、コンセルヴァトワールの入学試験で審査員を務める人気ピアニスト、アリアーヌ・フシェクールの無神経な態度に心を乱され、散々な結果に終わる。夢を諦めるメラニー。
 十数年後、メラニーはアリアーヌと再会を果たす。2年前に轢き逃げ事故に遭ったアリアーヌは心に傷を負い、演奏に対する恐怖心を常に拭えず苦悩していた。
 やがてメラニーはそんなアリアーヌの信頼を勝ち取り、演奏会での〝譜めくり〟の大役に抜擢される。そしてメラニーはアリアーヌにとってかけがえのない存在へと変わっていく。

 アクション・サスペンス系以外のフランス映画は苦手な部類に入ってくるのだが、一度だけ観た予告ではサスペンスっぽい雰囲気を持っていたので、鑑賞することに。

 子供の頃目指していたピアニストを、ある理由で断念した少女メラニー。十数年後、彼女はその原因となったピアニストに近づく。その目的は復讐か? それとも・・・

 というような内容で、当然復讐のためにメラニーはアリアーヌに近づいたのだと思う。弁護士の実習生として選んだのがアリアーヌの夫ジャンの事務所。ここから周到に計算された復讐劇が始まっていく。
 息子の子守として、そして〝譜めくり〟役としてアリアーヌからの信頼を得るメラニー。そこから復讐の幕がきって落とされる、と思いきや、どうも淡々として、心理描写ばかりが続いていく。しかも、メラニーはアリアーヌに誘いをかけるような態度も示し始め、愛憎入り混じったようにストーリーは進んでいく。

 もっと衝撃的な復讐があるかと思った。子供に対して、もっと過激な態度をとるとか、演奏中〝譜めくり〟を放棄してしまうとか。2年前の轢き逃げ事故の犯人も実は・・・なんていう衝撃の事実も期待したりしてしまった。

 ストーリーとしては目に見える大きな起伏はなく、心理面の描写で進んでいく。衝撃的な復讐劇を期待してしまい、やや物足りない印象となってしまった。
 考えてみれば、このラストの復讐の方が、ピアニストのキャリアよりも幸福な家庭を失ってしまうということになり、結果として一番大きなものを失ってしまうことになるのだろう。ただ、その過程がメラニーの意図した展開だったのかがわからないな。

/5

監督:ドゥニ・デルクール
出演:カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ、パスカル・グレゴリー、アントワーヌ・マルティンシウ、クロティルド・モレ
    グザヴィエ・ドゥ・ギルボン、ジャック・ボナフェ、クリスティーヌ・シティ、ジュリー・リシャレ
於:シネスイッチ銀座
譜めくりの女 デラックス版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント
2008-10-24

ユーザレビュー:
実はラストがわからな ...
あなたは楽譜が読める ...
緊張感冷たい炎のよう ...
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この記事へのコメント

2008年05月06日 19:47
こんにちは。
TB&コメントありがとうございました。
そうなんですよね、何か盛り上がりに欠けたと言うか・・・。

>その過程がメラニーの意図した展開だったのかがわからないな。

そうそう、そんなに計画性が見えなかった感じで。
成り行き任せという雰囲気もありました。
メラニーを演じた女優さんも、私にとってはそんなに気にならない存在感だったりもしたので。
鑑賞前に色々と期待しちゃったのもいけなかったけど、どちらかと言うと物足りない作品となってしまいましたわ。
2008年05月07日 22:00
となひょうさん、コメントありがとうございます。
淡々として、今ひとつ盛り上がりが感じられなかったですね。
この淡々さが逆に恐怖を煽るというような印象もあるようですが、
個人的にはちょっと物足りなかったです。
メラニーが全てを計画的に進めていたようには見えませんでしたね。
感情も計画できるとはさすがに思えませんから。

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