92「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(フランス・香港)
通りを渡る前に回り道
ニューヨーク州コニーアイランドのとあるカフェ。恋人に捨てられたエリザベスは、彼のことがなかなか断ち切れず、彼の行きつけであったこのカフェにやって来る。そこで彼女の相手をしてくれたのが、カフェのオーナー、ジェレミーであった。そして彼は彼女のためにブルーベリー・パイを出してくれる。甘酸っぱいパイの味に少し癒されるエリザベス。
それから彼女は夜更けにカフェに寄り、ジェレミーと売れ残りのパイを食べるのが日課となる。しかし、それでも恋人を断ち切れない彼女は、ある日ニューヨークを離れ、当てのない旅へと出る。仕事をしながらメンフィス、ラスベガスとアメリカを横断していくエリザベス。彼女はそこからジェレミーに宛てて手紙を出すのであった。
「恋する惑星」 「天使の涙」のウォン・カーウァイ監督が初めて挑んだ英語作品。舞台はアメリカで、英語ということだからてっきりアメリカ映画だと思っていたら、フランス・香港の合作であった。
主演はノラ・ジョーンズ。正直名前は聞けども、詳しくは知らなかった。レイチェル・ワイズに少し似ていて、予告を観たときは、どちらが映っているのかわかり辛いときもあった。
他にアカデミー賞受賞者、候補者で主要キャストが固められている。
恋人に別れを告げられた女性が、当てもない旅に出て、自らを見直し、再生する物語。
彼女が旅に出た理由は? ジェレミーと近づきつつあった時に彼女は街を出てしまう。距離を置くことで、ジェレミーのことも自分自身のことも見直していくということだろう。
エリザベスはアメリカを横断するが、物語の主要となった舞台は2箇所。
メンフィスではアルコール依存症となったアーニーとその妻スー・リンと出会い、ラスベガスではギャンブルをする女性レスリーと出会う。それぞれの出来事がエリザベスに何かしら影響を与えたようだが、そのあたりが今ひとつわからなかった。他人は反面教師になるというようなことを言ってはいたようだが。
監督らしいストーリー展開だが、人によると退屈になってしまうかも。
脚本は監督自身と、何とローレンス・ブロックも参加しているという。英語のリアリティを出したいということらしかったが、このミステリー作家が参加というのも意外な感じ。
でも、やっぱりウォン・カーウァイらしいストーリーだったかな。
それに音楽と映像は引き込まれる。ノラ・ジョーンズが歌う主題歌が、なかなか心に染み入ってくるし、その他の歌も雰囲気が良い。そして映像もクリストファー・ドイルではないが、どこか「恋する惑星」や「天使の涙」を感じさせるものがある。何となくシチュエーションもかつての作品に似たような部分があったような。スローで映される人の動きも印象に残った。
映像と音楽による雰囲気を楽しみながら、まったりとした感覚でストーリーを楽しめばいいかな。
パイも食べたくなるかも。


/5
監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デイヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
於:日比谷スカラ座
ニューヨーク州コニーアイランドのとあるカフェ。恋人に捨てられたエリザベスは、彼のことがなかなか断ち切れず、彼の行きつけであったこのカフェにやって来る。そこで彼女の相手をしてくれたのが、カフェのオーナー、ジェレミーであった。そして彼は彼女のためにブルーベリー・パイを出してくれる。甘酸っぱいパイの味に少し癒されるエリザベス。
それから彼女は夜更けにカフェに寄り、ジェレミーと売れ残りのパイを食べるのが日課となる。しかし、それでも恋人を断ち切れない彼女は、ある日ニューヨークを離れ、当てのない旅へと出る。仕事をしながらメンフィス、ラスベガスとアメリカを横断していくエリザベス。彼女はそこからジェレミーに宛てて手紙を出すのであった。
「恋する惑星」 「天使の涙」のウォン・カーウァイ監督が初めて挑んだ英語作品。舞台はアメリカで、英語ということだからてっきりアメリカ映画だと思っていたら、フランス・香港の合作であった。
主演はノラ・ジョーンズ。正直名前は聞けども、詳しくは知らなかった。レイチェル・ワイズに少し似ていて、予告を観たときは、どちらが映っているのかわかり辛いときもあった。
他にアカデミー賞受賞者、候補者で主要キャストが固められている。
恋人に別れを告げられた女性が、当てもない旅に出て、自らを見直し、再生する物語。
彼女が旅に出た理由は? ジェレミーと近づきつつあった時に彼女は街を出てしまう。距離を置くことで、ジェレミーのことも自分自身のことも見直していくということだろう。
エリザベスはアメリカを横断するが、物語の主要となった舞台は2箇所。
メンフィスではアルコール依存症となったアーニーとその妻スー・リンと出会い、ラスベガスではギャンブルをする女性レスリーと出会う。それぞれの出来事がエリザベスに何かしら影響を与えたようだが、そのあたりが今ひとつわからなかった。他人は反面教師になるというようなことを言ってはいたようだが。
監督らしいストーリー展開だが、人によると退屈になってしまうかも。
脚本は監督自身と、何とローレンス・ブロックも参加しているという。英語のリアリティを出したいということらしかったが、このミステリー作家が参加というのも意外な感じ。
でも、やっぱりウォン・カーウァイらしいストーリーだったかな。
それに音楽と映像は引き込まれる。ノラ・ジョーンズが歌う主題歌が、なかなか心に染み入ってくるし、その他の歌も雰囲気が良い。そして映像もクリストファー・ドイルではないが、どこか「恋する惑星」や「天使の涙」を感じさせるものがある。何となくシチュエーションもかつての作品に似たような部分があったような。スローで映される人の動きも印象に残った。
映像と音楽による雰囲気を楽しみながら、まったりとした感覚でストーリーを楽しめばいいかな。
パイも食べたくなるかも。



監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、デイヴィッド・ストラザーン、レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマン
於:日比谷スカラ座
この記事へのコメント
回り道して近づく恋でしたね~。
なんだかあのキスが切なラブリーで、すごく心に残りました。まいっちんぐ。
本当、私も、ノラ・ジョーンズ、初めに出て来た時からレイチェル・ワイズに似ているなあって思いながら見ていました。
そしたら、本当のレイチェル・ワイズが出てくるからビックリ!
しかも、その後、ナタリー・ポートマンが出て来てビックリしてしまいました。
だって、ナタリー・ポートマンも、レイチェル・ワイズも、ノラ・ジョーンズも、同じ系統の顔してません??
今回の撮影監督はクリストファー・ドイルじゃないんですもんね。
でも、ドイルの雰囲気をそのまま取り入れていて、カーウァイ作品の良さをキチンと引き出してくれていました。
どちらかというと女子向けの作品かなあという気がしましたです。なんたってジュードの魅力がバリバリ出まくってましたもん♪
あのキス・シーンは印象的なシーンでした。
なかなかあんなこと出来ないぞ。
やっぱりノラ・ジョーンズとレイチェル・ワイズ似てましたよね。
予告だとどっちがどっちかわからなかったりしました。
ナタリー・ポートマンも似ている?
う~ん、個人的には微妙~
でも彼女も立派に成長したなぁ(苦笑)。
>今回の撮影監督はクリストファー・ドイルじゃないんですもんね。
そうなんですよね。観ながら、クリストファー・ドイルだったらどうだったろう? なんて考えてました。
でも、映像的にはそれに近い雰囲気出してましたね。
やっぱりジュードの魅力に女子はメロメロですか?
私もジュードをよく見ましたよ。何とかご教授願おうと。
何を? そりゃ・・・
TBありがとうございました。私もお返しさせていただきました。
>映像と音楽による雰囲気を楽しみながら、まったりとした感覚でストーリーを楽しめばいいかな。パイも食べたくなるかも。
これでいいと思えるキャスティング、映像、音楽とバラバラの魅力といえるのかもしれません。
私の中でも色々な気持ちが交錯していますが…パイを食べたくなる!というところで自分としては、おとしどころか?なんて思っています。
コメントありがとうございます。
ウォン・カーウァイらしい雰囲気で、映像なんかを楽しんでもいいし、
豪華キャストを楽しんでもいいし、ジュード・ロウを愛でるのもいいかもしれませんね。
やっぱりパイが食べたくなる、ということでよろしいかな?