リミッター・カット

329「アディクトの優劣感」(日本・台湾)
 34才の誕生日を目前に謎の自殺を遂げた由季宏。恋人の玲加は、彼の残したパソコンの中に遺書を発見する。そこには、玲加に見せることのなかった由季宏の姿があった。
 セックス、ドラッグにはまり、主観的妄想に耽る由季宏。ある日、麻薬所持で逮捕されたDJ、テンパリの彼女ヒノコと出逢い、自分の理想を生きるヒノコの世界観に、まるでドラッグにはまるように魅せられていく。

 「アディクト=中毒者。依存者。なんだかわからないが、魅かれていく感じ」
 セックス、ドラッグ、クラブなどにアディクトな若者たちの刹那主義的な生き方を描く作品。

 これまた映像には凝った作品である。
 「デフォメ=デジタル・フォトメーション」高画質のデジタルスチールカメラで連続撮影した実写画像を、アニメのように1枚1枚加工して映像化する手法。まあ連続写真を繋げた映像ということだが。
 確かに新しい感覚の映像かもしれないが、それ程刺激を受けるということでもないかな。こういう映像は実際のアニメ風の作品でも観ていたからな。
 
 もう一つ変わった点でいけば、ストーリーは本当に主人公の由季宏の視点で描かれる。カメラが由季宏の視線である。このカメラ・ワークによって、由季宏の気持ちとシンクロしていくようになる感じかな。
 それよりも女の子とキスしたりセックスしたりする時に、彼女たちの顔がカメラの間近に来るという方が印象に残ってしまったが。

 ドラッグなどにアディクトしている若者たちの刹那的な作品というと、かなりドロドロした印象を受けるかもしれないが、この作品はそんな感じもなく、いわゆる青春映画として受け入れやすい作品ではないだろうか。独白調の青春ストーリー。ちょっと純文学っぽい?

 クラブなどの〝四つ打ち〟の電子音にカラダを泳がせ、上がっていく。そんなことを作中で言っていたが、意外とそんなビートの音楽が少なかったな。

/5

監督:藍河兼一
出演:沢村純吉、青山華子、吉武優、シュ・レイアン、チェン・ウェイハオ
    渡部遼介、リン・スーツェン、泉忠司、イン・ツェンウェイ、石井あす香
於:渋谷Q-AXシネマ

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