271「クワイエットルームにようこそ」(日本)
私、鬱陶しい?
佐倉明日香28歳、フリーライター。ある日目覚めたら見知らぬ部屋で5点拘束されて横になっていた。記憶がなく、見知らぬ場所に見知らぬ人々。現れた看護士の江口に告げられる。薬の過剰摂取によって昏睡状態に陥り、丸2日も眠っていたと。そこは緑山精神病院女子閉鎖病棟の拘束部屋。人呼んで〝クワイエットルーム〟
閉鎖病棟には過食症や拒食症の人々。個性豊かな患者たちが入院していた。自殺の恐れがあると言われた明日香も入院生活を送る破目に。
非日常な空間に隔離され、様々な問題を抱える人たちと出会ううち、明日香の心も徐々に変わっていく。やがて記憶が甦り、ここに来た本当の理由が突きつけられるが・・・
松尾スズキ脚本、監督作。前日鑑賞した 「ヒート アイランド」 ではシリアスな役を演じていた松尾スズキだが、本作のはじけっぷりは本人出演していなくても、どちらかと言えば彼をイメージさせる作品である。宮藤官九郎演じる放送作家の鉄雄のキャラは、どことなく 「図鑑に載ってない虫」 のエンドーを思い出させる。
オーバードーズで精神病院に入院することとなった明日香。それまでの生活では恋人や元夫、仕事のことでストレスを感じていたが、この白い壁で閉ざされた場所で、様々な人々と会うことによって自らを振り返り、見直していく。
入院患者たちもユニークな人物を取り混ぜて、シリアスな話をそれほど重く感じさせずにいる。それでいて結構考えさせてくれる話となっている。
精神病院というのはちょっと行き過ぎかもしれないが、ストレスを抱える現代人。外界と隔絶された静かな場所で考えると、心が癒されるのかもしれないな。ただ社会に復帰できるかはわからないが。
出演者の中では、冷徹な看護士江口を演じたりょう、それに拒食症の患者ミキを演じた蒼井優が印象残った。特に蒼井優はあの囁くような話し方に惹かれてしまう。
よく知らなかったが、拒食症や過食症の人間も精神病院で治療することになるんだな。と言っても本作では治療らしい治療はなかったが。


/5
監督:松尾スズキ
出演:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、妻夫木聡、大竹しのぶ、中村優子
高橋真唯、馬渕英俚可、筒井真理子、宍戸美和公、平岩紙、箕輪はるか、塚本晋也
於:池袋HUMAX CINEMAS4
佐倉明日香28歳、フリーライター。ある日目覚めたら見知らぬ部屋で5点拘束されて横になっていた。記憶がなく、見知らぬ場所に見知らぬ人々。現れた看護士の江口に告げられる。薬の過剰摂取によって昏睡状態に陥り、丸2日も眠っていたと。そこは緑山精神病院女子閉鎖病棟の拘束部屋。人呼んで〝クワイエットルーム〟
閉鎖病棟には過食症や拒食症の人々。個性豊かな患者たちが入院していた。自殺の恐れがあると言われた明日香も入院生活を送る破目に。
非日常な空間に隔離され、様々な問題を抱える人たちと出会ううち、明日香の心も徐々に変わっていく。やがて記憶が甦り、ここに来た本当の理由が突きつけられるが・・・
松尾スズキ脚本、監督作。前日鑑賞した 「ヒート アイランド」 ではシリアスな役を演じていた松尾スズキだが、本作のはじけっぷりは本人出演していなくても、どちらかと言えば彼をイメージさせる作品である。宮藤官九郎演じる放送作家の鉄雄のキャラは、どことなく 「図鑑に載ってない虫」 のエンドーを思い出させる。
オーバードーズで精神病院に入院することとなった明日香。それまでの生活では恋人や元夫、仕事のことでストレスを感じていたが、この白い壁で閉ざされた場所で、様々な人々と会うことによって自らを振り返り、見直していく。
入院患者たちもユニークな人物を取り混ぜて、シリアスな話をそれほど重く感じさせずにいる。それでいて結構考えさせてくれる話となっている。
精神病院というのはちょっと行き過ぎかもしれないが、ストレスを抱える現代人。外界と隔絶された静かな場所で考えると、心が癒されるのかもしれないな。ただ社会に復帰できるかはわからないが。
出演者の中では、冷徹な看護士江口を演じたりょう、それに拒食症の患者ミキを演じた蒼井優が印象残った。特に蒼井優はあの囁くような話し方に惹かれてしまう。
よく知らなかったが、拒食症や過食症の人間も精神病院で治療することになるんだな。と言っても本作では治療らしい治療はなかったが。



監督:松尾スズキ
出演:内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、りょう、妻夫木聡、大竹しのぶ、中村優子
高橋真唯、馬渕英俚可、筒井真理子、宍戸美和公、平岩紙、箕輪はるか、塚本晋也
於:池袋HUMAX CINEMAS4
この記事へのコメント
私も、大人計画を見たことがないし、映画の『恋の門』を見たことがあるだけなので、松尾スズキについて語るレベルではないのですが、彼独自のスタイル、というのが明確に感じることのできる人だと思います。
この独自性はちょっと凄いですね。
自分はマトモと信じて入れられたはずの精神病院が、実は自分にピッタリな場所だった、というのが『17歳のカルテ』と一緒なのですが、この『17歳のカルテ』と違って、精神病者を陳腐にカッコいいものとして描いていないのが、この映画のいいところだと思いました。
「17歳のカルテ」は未見です(泣)。
もしかすると、自分に合う場所が他にあるのかもしれない。
個人的には、ちょっと社会から離れてみると、自分を振り返ることができるかもしれない、と感じたんですけどね。
松尾スズキは、役者として出ているのをチラと見る程度でしたが、
次もあれば、観てみようかな。
少しご無沙汰してしまいましたが、お変わりありませんか?
私も、ようやく見ることができました。
もともと楽しみにしていましたが、期待以上に気に入りました。
でも、結構見る前にイメージしていた雰囲気とは少し違って重かったです。
私も、りょうが印象的でした。一番気になるキャラクターでした。
蒼井優は、いつもいい仕事してますね。
お久しぶりです。
ちょっと色々仕事面で大変ですけど、とりあえず体調は維持してますね。
重い部分とコミカルな部分をうまく取り合わせた感じではありましたね。
りょうと蒼井優、なかなか印象深い役柄でした。
う~ん、社会のしがらみから離れ、静かな所でじっくり考えたい、否何も考えたくない・・・(苦笑)
今晩は(^_-)-☆松尾スズキの作品は、ほとんど未見です。
この作品はリアルな上に少し考えさせられるものでしたね。
実際に閉鎖病棟はあんな感じのようです。
クワイエットルーム(保護室)での拘束は
懲罰的なことで行われるそうです。フィクションですが、
ノンフィクション的要素のある作品ということでしょうか。
コメント有難うございましたm(__)m
コミカル・テイストではありましたが、思っていた以上にシリアスなものでもありました。
クワイエット・ルームは本当にあるんですね。
閉鎖病棟・・・必ずしも縁遠いものではなかったりして・・・