229「人が人を愛することのどうしようもなさ」(日本)

名美、堕ちていく女優
 人気女優として活躍する土屋名美。しかし、私生活では同じく俳優の夫・洋介と破局の危機を迎えていた。多忙を極める名美を横目に洋介は若い女優と浮気していた。その荒んだ生活は名美を心身ともに蝕まれていた名美を追い詰める。
 現在撮影中の新作「レフトアローン」では夫・洋介が名美演じるヒロイン鏡子の夫役として共演。さらにその浮気相手の女優まで出演というスキャンダラスなキャスティング。名美のマネージャー岡野はマスコミ対策に忙殺されていた。
 そんな中、一人の編集者・葛城が名美のインタビューを試みる。その内容は新作の話から夫婦関係までに及び、更に衝撃的な話にまで至るのだった。

 平日の昼間の鑑賞だったというのにほぼ満員。立ち見まで出ていた。観客のほとんどが年配の男性。やはり喜多嶋舞のセンセーショナルなシーンが話題となっているためかな。

 個人的にその作風が好きな石井隆監督の最新作。前作の 「花と蛇」 は杉本彩の大胆シーンが話題となっていたが、本作は石井監督が作り上げたヒロイン・名美が登場。
 堕ちていく女、女の光の部分と闇の部分、その二面性を描き出している。

 「花と蛇」の杉本彩ほどの話題ではなかったが、本作の喜多嶋舞も大胆な演技を見せている。R-18指定の本作、今回の喜多嶋舞のシーンも負けず劣らず大胆で、激しい描写である。元々〝名美シリーズ〟は「日活ロマンポルノ」から始まったものであるが、本作も「ロマンポルノ」に近いのかも。

 物語は冒頭から喜多嶋舞の激しいシーンから始まる。銃を手にして工場のような屋内に潜む喜多嶋舞。そして激しい銃撃戦。エロスと暴力を描くことの多い石井監督。今回もハードはハードなサスペンスか? と思ったら、これは劇中映画のシーンだったんだな。
 その後名美を取材する葛城という男が登場。名美が語る話でストーリーは進行していく。複雑なその話は現実の名美、「レフトアローン」という作品の中の鏡子。更に劇中映画として作られる「愛の彼方」など、二重三重の輪をかけて女の話が語られる。どれが現実で、どれが虚構なのかわからなくなってくる。
 名美と葛城が話しているうちに状況や真実が見えてこなくもないが、終盤物語は大きく展開し、衝撃の結末を迎える。この結末も現実か、映画の話か、その劇中映画なのか混沌としている。

 正直中盤以降までは名美が語る愛を欲し、変わりゆく女というものと、その喜多嶋舞のエロスなシーンが延々続き、退屈になるかもしれない。実際途中退場したおじさんも何人かいた。

 もともと石井隆は劇画を書いており、名美と村木の物語はそこから始まっているらしい。暴力とエロスを描いた劇画。今回はエロスばかりの話かと思ったが、ラストに暴力、サスペンスが待っている。まあ最後まで何が現実なのかわかり辛かったが。

 今回も村木は出てこないのだな、と思っていたが、ワン・シーンだけ村木は登場していた。

/5

監督:石井隆
出演:喜多嶋舞、津田寛治、永島敏行、竹中直人、美影、伊藤洋三郎
    山口祥行、中山俊、城明男、志水季里子、品川徹
於:銀座シネパトス 
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