205「リトル・チルドレン」(アメリカ)

大人になりきれない大人
 かつて情熱的なフェミニストだったサラは夫リチャードとの結婚生活に息詰まりを感じていた。そんな頃ハンサムで主夫をしているブラッドと出会う。ブラッドの妻ジェシーは良きパパであるよりも仕事に熱中する夫を求めており、ブラッドはジェシーに溝を感じていた。サラとブラッドは出会った時から惹かれ合い、気持ちを抑えられなくなっていく。
 街では元受刑者のロニーが釈放され、話題となっていた。ブラッドの友人で元警官のラリーはロニーを糾弾するビラを街中に貼り回る。周囲から拒絶されるロニーを暖かく見守るのは母親のメイ。
 彼らが見出す本当の居場所とは?

 この作品評判が良いらしく、アカデミー賞で3部門にノミネートされた他、多くの映画祭の部門でも多数ノミネートされているという。
 「人生こんなはずじゃなかった」「本当に自分のしたいことは他にあるはず」
 そんな試行錯誤している大人になりきれない大人を描いている一作。

 しかし、ここに描かれている大人って結構周囲にもたくさんいるんじゃないかな? かく言う私も同じようなものである。結婚すれば、子供を持てば、また変わるんではないか、と思ったりすることもあるが、本作に登場するサラとブラッドはれっきとした母親、父親である。それでも迷ってしまう。

 内容としては微妙だな。本当の自分探しとしても、それが情事となっていくという点は今ひとつ共感はできぬが、結局迷っている自分の前に現れた「どこか自分らしさを引き出してくれる人」に惹かれてしまったのだろう。

 そしてラリーとロニー。それぞれが過去に子供に対する罪を持っており、ラリーは自分を責める代わりにロニーを責める。ロニーは自らの性的嗜好を否定しようとはしない。
こちらも成長しきれぬ大人を描いている。

 登場人物に共感できるかは別として、ストーリーとしては、そんな大人になりきれぬ大人を、時に辛らつに、時にユーモアを交えて描き、2時間超の作品ながら飽きさせない作りとはなっている。
 ラストはどこかホッとさせる感じであった。

/5

監督:トッド・フィールド
出演:ケイト・ウィンスレット、パトリック・ウィルソン、ジェニファー・コネリー
    ジャッキー・アール・ヘイリー、ノア・エメリッヒ、グレッグ・エデルマン
    フィリス・サマヴィル、ジェーン・アダムズ
於:日比谷シャンテ・シネ
リトル・チルドレン [DVD]
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2007-12-21

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この記事へのコメント

となひょう
2007年08月26日 10:21
こんにちわ。
TB&コメントありがとうございました。
『不倫』という行為には共感しかねますけど、こんな風に自分に迷っている人はたくさんいますよね。この作品を見ていて、「・・・・・あっ、私もそうだ・・・」と、ジンワリと思いました。幾つになっても、『自分探し』は止まらないものですよね、きっと。
私もラストはホッとしましたよ。
特に、ラリーの取った行動に。殆ど無意識にロニーを救おうとした姿は、何か清々しかったというか。嬉しかったです。
どんな人にも思いやりってあるんだなーと安堵しました。
ん?『クラッシュ』みたいだなぁ。そう言えば、ラリーを見ていて『クラッシュ』のマット・ディロンを思い出したんですよ~
少し近いテーマが込められているのかな。
2007年08月26日 11:27
となひょうさん、いらっしゃいませ。
恐らくこの作品で表されている「自分探し」というのは少なからずどんな時も考えるものかもしれないですね。
「クラッシュ」! そうですねラリーの行動は「クラッシュ」に似ているかも。
「クラッシュ」も知らず知らず「自分探し」をしていたのかもしれませんね。
とらねこ
2007年08月27日 00:24
CINECHANさん、こんばんは☆
そうですね、誰しも、生き方を迷うと思うんですよね。
そうした迷う時に、不倫、というのは、もしかしたら、陥りやすい罠なのかもしれませんね。
しかし、何より、私には、ジャッキー・アール・ヘイリーが一度デートした、相手の最後が可哀想で仕方がないんですよ。
あの人だけでしたよね、救われなかったの・・・。
デート相手が「いい人」と思った瞬間にあの車の中での豹変!
あれは、ゾッとしました。笑えなかった・・・。
ジャッキー・アール・ヘイリー、演技、うますぎです。恐ろしい。
2007年08月28日 00:39
とらねこさん、いらっしゃいませ。
ああ確かにあのデート相手は可愛そうでしたね。
何となく彼女に対しいい人を見せていて、もしかすると重要キャラになるかと思いましたが、救われない去り方でしたね。
ジャッキー・アール・ヘイリーはあまり知らない俳優だったんですが、なかなか存在感ある人でした。

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