酒とジャズとダンディ

157「ラストラブ」(日本)
 かつてニューヨークのジャズシーンを賑わしていたサックスプレイヤー阿川明は、妻の死をきっかけに、自分のための人生に終止符を打った。
 5年後、友人の経営する旅行代理店で働き、一人娘の佐和とひっそりと暮らしていた明はある若い女性上原唯と出会う。最悪の出逢いをした二人はニューヨークで再会する。唯は結婚を控えながら、どこか不安を抱えていた。そんな彼女の話を聞き、アドバイスをする明。
 やがてこの出来事が二人の運命を大きく変え、新たな人生への一歩となっていく。

 正統派ダンディズムの極致、と言われている田村正和。この作品でも彼のそのダンディズムは遺憾なく発揮されている。団塊の世代という設定だが、全くそんな雰囲気を見せない。かつてテレビドラマで観たロングコートの前をはだけ、ズボンのポケットに手を入れて歩く姿。全く変わり無い。田村正和(阿川明ではない)が語る台詞はやたらと印象に残る。

 「俺の時間は過去だ。君の時間は未来だ」
 「恋には命を賭ける。結婚には幸せを賭ける」

 旅行代理店で働く姿は似合っておらず、ツアー・コンダクターの仕事もしているようには見えなかったが、元々の仕事であるサックスプレイヤーというのは似合っている。ウィスキーを飲むシーンも多く、ダンディにはジャズと酒がよく似合うということか。

 ストーリーは人生を諦めた男が、ある女性と出逢い、再生へと向かっていくストーリー。
 第一印象の悪い出逢いから、思わぬ再会、そこから話が展開していくが、最初の出逢いと再会のシーンを観ていると、もしかするとこれはラブコメなのではないか? と思ったが、それ以後はシリアスに展開する。作品の雰囲気からすると、最初の出逢いと再会のシーンは合わなかったのではないかと思う。出逢いももう少し違う設定が良かったな。 
 以後はなんとなく都合のいい展開となっていく。ニューヨークを舞台として設定する意味があるのか? と思うが、「ニューヨーク恋物語」のスタッフということで、またニューヨークで撮りたかったのだろう。

/5

監督:藤田明二
出演:田村正和、伊東美咲、森迫永依、片岡鶴太郎、ユンソナ
    細川茂樹、阿部進之介、山崎一、高島礼子
於:丸の内ピカデリー

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  • ラストラブ/田村正和、伊東美咲

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  • 映画「ラストラブ」

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  • ★  ラストラブ  ★

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