赤い髪のキジムナー

155「アコークロー」(日本)
 東京で暮らしていた鈴木美咲は、東京から逃げるように恋人・村松浩市の住む沖縄へとやって来た。彼女にはある暗い過去がまだ傷となって残っていた。
 美咲は浩市とその友人たち、仁成とその息子仁太、秀人とそのおばあに迎え入れられる。美咲の歓迎会でおばあの語る〝キジムナー〟の伝説に興味を持つ美咲。彼女は女流作家で、霊能者ユタでもある比屋定影美を訪ね、キジムナーについての話を聞かせてもらう。影美はキジムナーの魔物としての恐ろしい側面を語り聞かせる。
 南国での平穏な日々にも慣れ始めたある日、美咲と浩市は赤い髪をした女性を見かける。それは仁成の別れた元妻早苗だった。そしてそれが悲劇の始まりともなった。

 沖縄では有名な妖怪〝キジムナー〟 「沖縄伝説 夏の思い出」 でもキジムナーの話は出てきたが、そこではファンタジー的な要素の強いものだったが、本作では恐ろしい魔物でもあることを強調している。
 そのキジムナー伝説と、人々の心の闇を合わせて描いたような本作。赤い髪の女性の幽霊か幻覚を見て、恐怖に怯える浩市たち。最初浩市には見えるのだが、美咲には見えない。
「過去を振り返らず、前だけ見て生きる」と誓った美咲だが、浩市に過去のことを指摘された瞬間赤い髪の女性が見えるようになる。これは心の奥深くにしまっていた闇が再び現れたことを象徴するものか?
 最終的には美咲が心の闇を解き放ち、自らを再生するというような話でまとまった感じである。

 南国の穏やかな雰囲気と映像、そして沖縄らしい音楽に、ホラーという感じはしなかったが結構衝撃的な映像もある。残念なのは、幽霊(幻覚)として現れる赤い髪の女性にそれ程恐怖感を感じなかったところである。

 沖縄を舞台とした作品ということで、監督やスタッフ、出演者も沖縄出身者を集めた本作。個人的に霊能者ユタの影美を演じたエリカに惹かれた。冒頭でも登場するが、霊能者の装束をまとった容姿と長い髪を垂らし、黒い洋服を着た容姿。どちらもキリッとしていて格好いい。どこか「エコエコアザラク」 の黒井ミサを感じさせる。彼女主演で新しいホラーでも作ったらどうかな?

/5

監督:岸本司
出演:田丸麻紀、忍成修吾、尚玄、菜葉菜、結城貴史
    吉田妙子、山城智二、村田雄浩、清水美砂、エリカ
於:シアターN渋谷

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    Excerpt: キジムナーといえば朝ドラ「ちゅらさん」では病弱だったカズヤ君が憧れたガジュマルの樹に住むいたずらっ子の木の妖精で、そのファンタジーテイストに私もカズヤ君やエリーのように魅せられた一人です。キジムナーの.. Weblog: カノンな日々 racked: 2007-07-06 09:15