284「敬愛なるベートーヴェン」(イギリス・ハンガリー)

音楽とは神の息吹だ!
 1824年ウィーン。新しい交響楽〝第九〟の初演を4日後に控えたベートーヴェンの元に作曲家を志す23歳の若き女性アンナ・ホルツがコピスト(写譜師)として訪れる。女性が訪れたことに激怒するベートーヴェンだが、徐々に彼女の才能を認め、〝第九〟の作曲を支える存在となる。昼夜を問わぬ仕事を進めていくうち、二人の間には師弟愛を越える感情が芽生える。
 遂に〝第九〟の初演の日。耳の聞こえぬ恐怖を抱えるベートーヴェンはオーケストラを指揮することを躊躇するが、アンナは彼を励まし、指揮の手助けをすることにする。

 芸術家というのはこれほど狂気に駆られ、激情的なものなのか? ここに描かれているベートーヴェンも溢れる才能を持って世間に認められながら、どうにも人付き合いなど下手で、孤独感に苛まれている。そんな彼の才能と人間性を認め、心を通わせ、支えていくコピストのアンナ。二人の出会いと心の交流を描いている作品。
 このドラマ部分のストーリー展開はわかり辛いのではないかな。冒頭のシーンはラストに繋がるはずなのだが、それがわかり辛かった。もう一度冒頭のシーンをラストの方にに挿むべきだったのではないかな。

 しかし、何と言ってもこの作品は音楽である。ベートーヴェン作曲の名曲が幾つも流れる。クラシックには疎いので、それ程知っているわけではないが、その曲が場面場面で効果的に使われている。
 そして圧巻は初日公演の〝第九〟。12分間にもわたる演奏シーンは胸に響いてくる。それはベートーヴェンとアンナが一体となったシーンでもある。

 この作品を鑑賞したのが12月31日。大晦日に第九を聴く。本当は2時間もあるという曲を12分の短縮版で聴けたというのはありがたいことだ。

/5

監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード
    ラルフ・ライアック、ジョー・アンダーソン、ビル・スチュワート
於:日比谷シャンテ・シネ
映画「敬愛なるベートーヴェン」
ユニバーサル ミュージック クラシック
2006-11-22
サントラ

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この記事へのコメント

2007年01月03日 11:54
おお~♪CINECHANさんは、大晦日に第九が聴けたなんて、羨ましいですね~!これ、私の友達は、わざわざ聴きに行ったり、後は、コーラス部分をみんなで歌う、っていうのが大晦日のコンサートの特徴でしょうか♪
ラスト、死ぬ間際にアンナ・ホルツが死を看取った、という冒頭が繋がってましたね。あれだけの激動の人生を歩んだ人が、最後幸せな死に方をしたのだとしたら、本当に良かったなあ、と思いましたよ♪
CINECHAN
2007年01月03日 13:09
とらねこさん、いらっしゃいませ。
第九を大晦日に聴く、歌うというセレモニーは以前から知っていたんですが、本当に第九を大晦日に聴くというのは初めてでした。なかなかいいものです(笑)。
そうですねぇ。ラストはのいまわの際は幸せだったんでしょうね。理解者が傍にいたんですから。
睦月
2007年01月03日 22:45
あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いします!

ご指摘通り、冒頭のシーンとラストのシーンの繋がりがきつかったですね。
でもやはり第九シーンは圧巻!素晴らしかったです。

大晦日に1800円であんな素晴らしい第九が聴けるのはホントに幸せなこと!

ではCINECHANさん、今年もたくさんのよい映画に出会えるといいですね!
CINECHAN
2007年01月04日 12:40
睦月さん。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
ちょっとラストのまとめは辛かったですね。
でも第九のシーンは良かった。大晦日に聴いたというのも更に気分を高揚させたのかもしれません。

今年もお互いいい映画に会えるように。
2007年01月04日 17:38
あけましておめでとうございます
昨年は沢山TBいただきありがとうございました。
お返しするのがやっとでなかなかコメントも入れられないでいるのですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

第九は毎年年末になると聞きますが、なんかこんなに感動しながら聞いたのは初めてでした。
聞いて当たり前みたいになって聞き流していたのでしょうか。
沢山のベートーヴェンの曲が素晴らしい曲が聴けてよかったと思いました。
CINECHAN
2007年01月04日 21:54
chikatさん、いらっしゃいませ。明けましておめでとうございます。
いえいえこちらこそTBだけなので、気にせずに今年もよろしくお願いします。
第九を鑑賞したというのは初めてじゃないかなぁ。やっぱり巷に流れている第九を聞き流している感じですからね。
ストーリー展開は正直わかり辛いところもありましたが、ベートーヴェンの曲を聴けたのは良かったですね。効果的でした。
2007年01月10日 01:07
CINECHANさん、こんばんわ。なかなか良い年越しをされたようですね。
冒頭とラストの繋がりは想像するしか無いですが、クライマックスに向けての盛り上がりなど見ごたえのある作品でしたね。
2007年01月13日 23:29
こんばんは。TBどうもです。
大晦日、私も狙ってたんですがダメで・・・(笑)
年明け初映画鑑賞がこれとなりました。
でも、最初から幸先良いスタートでした。第九のシーンは涙が流れました。
「神が自分の聴覚を奪ったのだ」って、本当にそういう感じがしてきました。
CINECHAN
2007年01月14日 01:40
カオリさん、コメントありがとうございます。
これを大晦日に観られたのは、良かったですよ。私は狙ったわけではなかったんですが、それを狙った人が多かったのか、満員でした。
第九のシーンは圧巻でしたね。私も胸に響きました。

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