105「ナイロビの蜂」(イギリス)

行き着く先は・・彼女の心
 イギリス外務省一等書記官のジャスティン・クエイルはある朝訃報を聞く。数日前ナイロビの空港で見送った妻が死んだという。しかも殺されたと。妻のテッサは元々アフリカの救援活動に取り組み、医療施設の救援活動に励んでいた黒人医師アーノルドと行動を共にしていた。
 彼女の死の真相を探っていくジャスティン。やがて事件の背後にある陰謀に直面した彼は追われ、警告を受ける身となる。しかし、やがて彼は自分の知らなかった妻テッサの真実と彼への思いを知るようになる。

 妻の死の真相を追う夫。サスペンス性の濃い作品のようだが、アフリカのスラムの現状や世界的な陰謀、実験、癒着が描かれ、何と言っても最愛の女性を亡くした男が、事件の真実と本当の姿、そして愛を見つけ出す心の旅を描いている。
 事なかれ主義で庭いじりが趣味だったジャスティン。妻の言動には一歩引いた形で見守っている。少し彼女の愛にも疑念を抱く。しかし、真実を探る旅を続けていくうちに彼女の感じたこと、思いと共鳴していく。
 ラスト近く飛行機に乗って逃げようとする場面で彼が発する言葉、それは妻と同じ言葉になっていたように感じる。
 ラストも印象的に終わる作品だが、加えてアフリカを映し出す映像も美しかった。

 あと一つ印象に残るのは数人が口にする台詞。
 「殺されるとは思っていなかった」

 謎解きのすっきり感などは無縁の作品であるが、ほっと落ち着いた気分にしてくれる。

監督:フェルナンド・メイレレス
出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、ダニー・ヒューストン
    ユベール・クンデ、ビル・ナイ、ピート・ポスルスウェイト
於:丸の内プラゼール
「ナイロビの蜂」オリジナル・サウンドトラック
EMIミュージック・ジャパン
2006-04-28
サントラ


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この記事へのコメント

2006年05月21日 16:20
 いつも足跡を残していただき、ありがとうこざいます。
この作品は賛否あり、絶賛と批判が極端なようです。中間の評論があまりない。私は絶賛したのですが、他のホームページをいろいろ読みふけるうち、批判の部分もわかる気がしてきました。とは言うものの、個人的には秀作です。賛否両論あれ、一本の映画が自分の人生を大きく変えることがあります。実際に、私は幾度か変えてきました。変わりました。いつまでも映画を観続けるつもりです。
 コメント、ありがとうございました。  冨田弘嗣
2006年05月21日 16:56
CINECHANさん、こんにちわ。
>謎解きのすっきり感などは無縁の作品であるが、ほっと落ち着いた気分にしてくれる。
そうですね。音楽も良かったし、アフリカの厳しい現実を映し出しながらも心洗われるかのような清涼感みたいな感覚も残りました。
丸の内プラゼールは混んでいましたか?私はその時、日劇におりました。もう、人・人・人の波で、具合が悪くなりそうでしたよ。「ダ・ヴィンチ」フィーバー恐るべし!
CINECHAN
2006年05月21日 21:56
冨田弘嗣さん、コメントありがとうございます。
私も秀作だと思います。批判する部分もわかるような気はしますが。
で言われていたとおり作品はそれぞれ受け止め方はありますから。
CINECHAN
2006年05月21日 22:03
隣の評論家さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
一服の清涼剤、そんな感じの作品でしたね。アフリカの子供たちの笑顔が良かった。
丸の内プラゼールまずまず混んでました。
「ダ・ヴィンチ」はもっと混んでいた・・。満員御礼札止めですもんね。
2006年05月22日 00:05
CINECHANさん、こんばんはぁ。
>ラストも印象的に終わる作品
そうなんですよ!ラストが秀逸。銃声がないままに余韻で魅せる感じ…胸にツ~ンと刺さってくるのです、、、
アフリカの美しい大地とは裏腹に、それを食い物にする者とされる者。現実のものとしてはあまりに儚く切ないのですぅぅぅ
しかし、この監督さんは素晴らしい作品を創ってくれたものです!感謝感謝
CINECHAN
2006年05月22日 00:58
purple in satoさん、コメントありがとうございます。
ラストは本当に印象的でした。他のハリウッド作とは一線を画していましたね。それにしても陰謀というか、汚濁というか、本当に尽きない世の中ですね。フィクションとは言い難い・・
2006年05月22日 01:20
CINECHANさん、こんばんわ。
陰謀とテッサの愛、どちらも中途半端にみえて、最後に心に残ったのはジャスティンのテッサに対する命がけの愛、そして美しいアフリカの景色でした。
睦月
2006年05月22日 03:51
こんばんわ。TB&コメントありがとうございました。
いい作品でした。ラブとサスペンスの絶妙な絡みあいも素晴らしかった!

レイチェル・ワイズの演技も確かに素晴らしかったけれど、レイフ・ファインズにも何か賞をあげたいくらいに素晴らしい演技を見せてくれたなあと思います。
この監督さん。作品数はまだまだ少ないけれど、次回作も大変に期待できる監督さんですよね!
2006年05月27日 13:16
TBどうもでした~♪
>ラスト近く飛行機に乗って逃げようとする場面で彼が発する言葉、それは妻と同じ言葉になっていたように感じる。
復讐のためにテッサを足跡を追いかけた訳じゃなく、彼女と同化したいために追いかけたんでしょうかねぇ・・・
CINECHAN
2006年05月28日 12:29
はっちさん、コメントありがとうございました。
飛行機での言葉は、自然とテッサと同じような気持ちになっていった、彼女を理解していった、というところなのでしょうか?
その後事件のあった湖へ向かいますからねぇ。

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