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<<   作成日時 : 2008/11/01 11:38   >>

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神様、真実とは何ですか!? 
 18世紀末。スペイン国王カルロス4世の宮廷画家に任命されたフランシスコ・デ・ゴヤ。画家として最高の地位に登りつめながら、権力批判と社会風刺の富んだ作品も制作し続ける。
 1792年、ゴヤは2枚の肖像画に取り掛かっていた。1枚は裕福な商人の娘で天使のように純真な魅力にあふれた少女イネス。もう1枚は威厳に満ちたロレンソ神父。
 カトリック教会では、ロレンソの提案で、形骸化していた異端審問の強化が図られていた。そしてある日、イネスは居酒屋で豚肉を嫌ったことからユダヤ教徒の疑いありとして審問所への出頭を命じられてしまう。
 そしてロレンソは拷問を受け、牢に繋がれたイネスに面会するのだった。

宮廷画家ゴヤは見た - goo 映画

 近代、動乱のスペイン。一人の画家の目を通して、ある男と女の運命を描いた物語。

 画家の名を冠した作品と言えば、「レンブラントの夜警」があったが、この作品が結構苦手な作品であったこともあり、本作もちょっと不安ではあったのだが、観終わってみるとなかなか面白かったな、という感想。

 宮廷画家であり、社会風刺も取り入れた作品を描くフランシスコ・デ・ゴヤの生涯を描くような作品ではなかった。彼が知るロレンソ神父と商人の娘の15年ほどに亘る運命を描いた作品であった。このロレンソ神父と娘・イネスというのは実在の人物ではなく、架空の人物であるらしい。

 ちょうど時代がフランス革命の頃で、スペインではナポレオンがやって来て、フランス人統治下におかれたり、その後イギリスがやって来て、フランスを駆逐するという、社会、政治背景も激変する時代であり、それがまたこの作品の面白さを増していた。
 そんな動乱の時代に生まれたロレンソとイネスの運命。これがまた時代に翻弄されていく。

 始まりはイネスに対する異教徒疑惑による、教会の異端審問。審問と言えど、実際は拷問。こういうカトリックの傲慢とも言えそうな行為は「ヴェニスの商人」でも感じたことだが、それほどまでに当時のキリスト教というのは力を持っていたんだな。
 それにしても「尋問による告白は正当化される」っていうのはどうなんだ。普通なら悪役の象徴ともなりそうな組織という感じである。
 そんなわけで、イネスの父、兄弟たちがロレンソ神父に行ったことは、ある意味痛快さも感じなくはなかったな。

 神父と言えども人間であり、結局人間であることからイネスの純真さに惹かれ、このような運命となっていってしまったのだろう。
 ロレンソ神父演じたはハビエル・バルデムは、もう見ていても安心していられるほどの貫禄で、威厳ある男から俗世間に地位を確立していく男を見事に演じている。
 ナタリー・ポートマンも体を張った演技で頑張っている。ロレンソと最初に会った時は、2週間ぐらい牢獄にいるわりには綺麗だな、と思ったが、15年後に解放された時の姿は疲弊しきった容貌である。
 それと、まさか二役とは思わなかったが。

 時代的にも動乱の時代で、カトリックの傲慢のような権力。そして人間の盛衰。それらの中で行き着くロレンソとイネスの運命に惹きつけられる作品であった。
 ゴヤはよく登場していたが、本当に語り部的な存在で、正に見た人間という感じである。

/5

監督:ミロス・フォアマン
出演:ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルド、ランディ・クエイド
    ミシェル・ロンズデール、ホセ・ルイス・ゴメス、マベル・リベラ、ブランカ・ポルティージョ、ウナクス・ウガルデ
於:渋谷東急
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