CINECHANの映画感想

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS オレ、兄貴を捨てる・・

<<   作成日時 : 2006/11/30 23:22   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 17 / コメント 6

257「手紙」(日本)
 武島直貴、20歳。誰とも打ち解けず、暗い目をした青年。彼が人目を避ける理由、それは兄、剛志が、直貴を大学にやるための学費欲しさに盗みに入った家で、誤って人を殺してしまったことだった。剛志への判決は無期懲役。
 殺人犯の弟して疎まれる直貴は引越しを繰り返し、転職も数度。それでもただ一人とも言える親友の寺尾祐輔とのコンビでお笑い芸人になる夢を達成する。そして合コンで知り合った女性中条朝美との恋。しかし、直貴の兄が殺人犯と知れたとき、それは手からすり抜けていく。絶望の底に落ちる直貴。そして刑務所内の兄、剛志と手紙をやり取りしていた直貴だったが、いつしか返事を書かなくなっていた。兄との繋がりを絶とうとするように。

 犯罪を犯した者の身内という境遇。恐らくほとんどの人は味わったことのない立場であるから、それを理解するというのは難しいだろう。しかし、理不尽な立場で、差別されてしまう青年の深い絶望と悲しみがよく描かれていると思う。夢、仕事、恋。それぞれうまくいきそうで、幸せを掴もうとしていたときにのしかかってくる殺人犯の弟ということ。そしてやって来る悲しみ。
兄が必ずしも悪人という感じでないところが、弟の苦しみを増やしている。
 
 ドラマとしてはとても興味深く、涙を誘う作品である。それは夢破れたとき。赦しを得たとき。そして兄貴を捨てようとするとき。

 自分のせいでもなく、レッテルを貼られ、差別されてしまうというのは、どんなものなのか? 本人が周囲の目を吹き飛ばしたり、あるいは周囲の目など関係なく付き合うというのは難しいのだろうか? 考えはすれども、そういう立場ということが現実にあり得るかさえわからないので、どこへ感情を持っていっていいのか難しい作品ではあった。作品に入り込めないという意味ではなく、考えさせられるということである。

 終盤は、絶望から赦し、というのがしつこいと感じるぐらい繰り返されるが、それでも涙を流すことの多いドラマではある。

/5

監督:生野慈朗
出演:山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵
    尾上寛之、吹越満、風間杜夫、杉浦直樹
於:サロンパス ルーブル丸の内

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(17件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
「手紙」、感動しましたぁ〜。
 実際に千葉刑務所でも慰問上映され、744人の受刑者も見て、涙する人もいた映画「手紙」を見てきました。 ...続きを見る
よしなしごと
2006/12/01 00:11
手紙/山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ
公開初日に梯子で観ようと思ったとき「デスノート」は決まりでもう1つ何を観るか迷ったんですよねぇ。でも「デスノート」とコレの二本立てにしてたらどちらも感動がかなり薄まってしまったことでしょう。ちょっと小腹が空いてたけど何も買わずに臨んで正解でした。コレ、め.... ...続きを見る
カノンな日々
2006/12/01 07:48
「手紙」
「手紙」明治安田生命ホールで鑑賞 ...続きを見る
てんびんthe LIFE
2006/12/01 09:57
手紙
伝えたい思いは,心を込めれば必ず届く! ...続きを見る
Akira's VOICE
2006/12/01 11:04
手紙
日曜日の2本目は「手紙」 東野圭吾原作の同名小説の映画化。両親を早くに亡くした兄 ...続きを見る
HIROMIC WORLD
2006/12/03 00:01
手紙
東野圭吾の同名小説を映画化した作品です。原作は未読です。 ...続きを見る
日っ歩〜美味しいもの、映画、子育て......
2006/12/03 09:50
【劇場鑑賞123】手紙
兄貴、元気ですか? これが最後の手紙です。 ...続きを見る
ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!...
2006/12/03 23:31
手紙
【映画的カリスマ指数】★★★★☆ ...続きを見る
カリスマ映画論
2006/12/05 01:28
手紙
11月3日より上映されています。 先週観ました。泣ける映画だと思います。 僕も泣 ...続きを見る
いろいろと
2006/12/05 21:51
東京国際映画祭『手紙』舞台挨拶@オーチャードホール
観たい映画に必ずと言っていいほど出ている沢尻エリカ第3弾(ぇLIVEまで時間が空いたんで、東京国際映画祭から「虹の女神」と天秤にかけ『手紙』を選択。沢尻エリカは、おとといも見たばかり(笑) 『シュガー&スパイス』(ココ)、『天使の卵』(ココ)の過去2作の舞台.... ...続きを見る
|あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο
2006/12/16 10:53
手紙
http://www.tegami-movie.jp/ちょっと遅めですが映画館で「手紙」これはよかった東野圭吾さんの映像化差作品には「変身」「白夜行」がありますがこれもそこそこ暗い作品です。直貴の兄は仕事にがんばりすぎで腰を痛めてし& ...続きを見る
勝弘ブログ
2006/12/17 22:42
「手紙」
何となくしっくり来ない…観終わった直後の感想です。テーマが重いだけにお笑いを目指しているという設定は浮いていたし、沢尻エリカの関西弁(?)も、不自然であまり必要性を感じませんでした。また、婚約者との最後はあれで良かったのかも疑問です。せめてお金を受け取るなら、お笑い芸人として売れる前の方が良かったかと…。そう言った意味でチグハグな部分が多く、テーマの割りには残るものが少なかった気がします。 [:URL:] 『手紙』 ...続きを見る
Tokyo Sea Side
2006/12/18 06:58
手紙
  ...続きを見る
とにかく、映画好きなもので。
2006/12/18 19:33
手紙
「手紙」 製作:2006年、日本 121分 監督:生野滋朗 原作:東野圭吾 出演 ...続きを見る
映画通の部屋
2007/01/13 15:49
mini review 07052「手紙」★★★★★★☆☆☆☆
カテゴリ : ドラマ ...続きを見る
サーカスな日々
2007/05/30 10:28
手紙
―言葉に できない。― 製作年度 2006年 原作 東野圭吾 脚本 安倍照雄/清水友佳子 監督 生野慈朗 音楽 佐藤直紀 出演 山田孝之/玉山鉄二/沢尻エリカ ...続きを見る
to Heart
2007/06/03 00:26
手紙
 『兄貴、元気ですか? これが最後の手紙です。』  コチラの「手紙」は、11/3公開になる東野圭吾さんの同名ベストセラー小説の映画化なんですが、試写会で観て来ました♪この映画の感想を冷静に書くことなんて、とてもじゃないけど無理。途中でおすぎが憑依しちゃいそ.... ...続きを見る
☆彡映画鑑賞日記☆彡
2008/02/01 23:34

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんわ!TB&コメントありがとうございます!!
おお!スライム4つじゃっ!!

これはホントにいろいろなことを考えさせられる作品でしたよね。そして大いに泣かされる物語でもありました。

≫兄が必ずしも悪人という感じでないところが、弟の苦しみを増やしている。

そう・・そこなんですよ。恨むに恨みきれない、捨てるに捨てきれないという葛藤がなおさら直貴を苦しめていたんだと思います。
こういう物語も第三者的な目線でしか観れないのは少し残念ですが、逆にそれはとても幸いなことでもあるんだと思いました。
睦月
2006/12/04 03:05
睦月さん、コメントありがとうございます。
最初から最後まで、どういう風に見ればいいのか悩みましたね。
どうしても第三者的な見方になってしまう。わかります。
本当に泣かされる作品でした。
CINECHAN
2006/12/05 00:14
CINECHANさん、こんばんわ。
この会長(杉浦直樹)は何てこと言い出すんだろう!と思いながら会長のセリフを聞いていましたが、最後まで観て行くうちに、綺麗ゴトではない現実を考えさせられました。
幸い、自分の身近に似たようなケースが無かったので、評論家的な発言ならいくらでもできそうなテーマですが、実際に身近で起こったなら何も語れないかも知れません。
HIROMIC WORLD
URL
2006/12/06 00:19
HIROMIC WORLDさん、こちらにもコメントありがとうございます。
この作品で直貴を説得する台詞って難しいなぁ、と感じました。
会長の言うこともわからないではないんですが、当の本人にはなかなか納得できないだろうな、とも思いました。
こういう立場というのは、感情移入するにも難しいところもあります。
ドラマとしてはなかなか面白かったです。
CINECHAN
2006/12/06 23:26
こんにちわ。
TB&コメントありがとうございます。
わぁーっ、ぴちょん君が4つ。出ましたね、高評価。
この作品は、余りにも書きたい事が多過ぎて。何度も読み返しては文章を削除して、それでも記事が長くなってしまいました。
直貴にはイライラしました。元々、山田孝之ってカッコ良いけど私にはインパクトの弱い俳優さんなんですよね。ドラマで主演してても、どうしても脇に目がいってしまうんです。そんな私でも、直貴のシーンで印象深いところもあったんですよ。ベロベロに酔っ払った田中要次が勢いで直貴の兄を罵倒するようなシーンがありましたが。イライラさせる直貴にしては、俊敏に殴り倒してましたよね。きっと、直貴は。心の奥では兄を大切に想っているんだろうな って感じました。ただ頑固で不器用なばっかりに、素直に兄に手紙を書けなくて。ついつい「アニキのせいだ」って考えて生きてしまったのかなぁ なんて。10代で背負うには辛い出来事ではありますけど、周りに支えてくれる人がいる事に感謝しつつ、アニキを、そして自分自身を赦して欲しいな なんて思って。
隣の評論家
URL
2007/01/13 15:58
隣の評論家さん、いらっしゃいませ。
確かに直貴を見ていると、ちょっといらいらさせられましたね。
山田孝之はこの役柄にはよく合っていたと思いますね。
なんだかんだ言っても、直貴は兄を好きなんですよ。それは垣間見えました。それが故に苦悩もあったんでしょう。
でも、そんな彼を支えてくれる人があって、ラストへと向かっていったんですね。
高評価はもちろんでしょう。
CINECHAN
2007/01/14 01:37

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文